研究概要 |
本年度の主な進行状況:昨年度実施した、中国人データの解析、研究発表を行い、さらに、先年に実施した日本人データに加えるために、男女学生の顔コミュニケーション実験、測定を行った。 測定に際しては、先行のデータ収集と同じく、AcT,Kiss18の2種類の社会的スキル尺度を実施した。3次元計測データについては、測定装置にて得られたデータを所定の解析プログラムのカスタマイズを経て、指標化し、計測値の抽出を行った。計測点としては、鼻根幅左右点、頬骨、鼻尖点、上下唇点、内眼角、口角点等39ポイントを計測点とし、これをRpid formによるプログラムにて画像表示し、測定し、その計測データをエクセル(マクロ)により、相貌学顔高、鼻根顔高等約30のMartin法による人類学的生体測定指標値を算出し、これまでの研究との比較を立体画像による計測値としてより高い精度での分析を行った。主な結果としては、男女間には多数の指標で有意差が認められた.また,幸福条件では上下左右の伸展的変化が見られ、怒り条件では縮小する変化があった。なお、真顔時には目の縦横のサイズが最大であった。形態指標の構造としては,感情条件に共通して、顔の縦特徴の指標を示す主成分と目、口唇部の主成分が示された。韓国人の結果と同様の表情に伴う形態的特徴が見られるが、男女差を反映する指標数は少ない。さらに、これまで得たデータ群とも関連させて、顔形態特徴の民族比較、文化的な視点からの容貌観の比較、コミュニケーション・スキルの比較を検討した。その成果は、今年開催の国内の関連学会にて日本人データを主とする成果について発表し、これまで得た海外のデータについての比較検討結果をアジア社会心理学会大会にて発表予定である。
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