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2007 年度 実績報告書

発達障害児に対する会話発達アセスメント方法と支援プログラムの開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16330130
研究機関筑波大学

研究代表者

長崎 勤  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (80172518)

研究分担者 宮本 信也  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60251005)
キーワードナラティブ / 母子会話 / 過去経験 / フィクショナル・ストーリー / 絵本 / 発達支援 / 広汎性発達障害児
研究概要

[研究I]会話発達のアセスメントのための基礎研究
身近な他者との会話場面における幼児のナラティブ構造の発達過程を検討することを目的とし,3〜6歳の幼児とその母親64組を対象に,直前の「ケーキ作り」経験についての母子会話を分析した。その結果,3歳ではケーキ作りルーティンの10要素中,自発的に言及する要素数は2程度と少なく,また,節を関連付けて述べることや接続表現の使用も少なかった。4歳になると自発的に言及する要素数が4程度と約2倍に増加するとともに、節を「時間」関係で関連付けるようになり,接続詞や接続助詞の使用頻度も増加した。さらに5,6歳になると「因果」「比較」「逆」等の多様な関係において節を関連付けるようになった。3歳児のルーティン要素への言及は母親による質問等の発話に依存していたが,加齢に伴いその依存度は低下した。
[研究II]会話の発達支援プログラムの開発と実験的支援
広汎性発達障害の男児1名に対して、フィクショナル・ストーリーの産出の支援を行った。先行研究より、"物語スキーマに即した視覚的手がかりの提示"、"登場人物の意図情報の意職化"がフィクショナル・ストーリー産出を促進すると考え、吹き出しを含む絵本作りを通して指導を行った。指導の結果、語数やCU数は指導後期にかけて増加した。また、絵に直接描かれていない情報を含むCUの数が増加した。結束性や物語構造レベルには指導通した変化は認められなかった。また、対象児は、指導後期に指導場面以外でも因果性を含む絵本を作成した。絵に描かれていない情報をふくむCUが増加したのは、指導を通して物語スキーマが形成されたためと考えられた。また、ナラティブのアセスメント・支援においては、言語で表出されるナラティブの評価に加え、物語スキーマといった内的知職の水準の評価、それに基づく支援が必要であることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「ナラティブ=語り」の発達と支援-ことばによる経験の共有-.2007

    • 著者名/発表者名
      長崎 勤
    • 雑誌名

      家庭教育研究所紀要(財団法人小平記念日立教育振興財団 日立家庭教育研究所) 29号

      ページ: 38-46.

  • [雑誌論文] 発達障害と教育2007

    • 著者名/発表者名
      長崎 勤
    • 雑誌名

      学校教育研究所年報 51号

      ページ: 73-79.

  • [学会発表] 典型発達幼児における過去経験の語りの発達-「ケーキ作り」経験に関する母子会話場面の分析を通して-.2008

    • 著者名/発表者名
      仲野真史・長崎 勤.
    • 学会等名
      日本発達心理学会第19回大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2008-03-20
  • [図書] 音声・言語障害.中村満紀男・四日市章(編).シリーズ・障害科学の展開 第1巻 障害科学とは何か.2007

    • 著者名/発表者名
      長崎 勤
    • 総ページ数
      325
    • 出版者
      明石書店

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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