研究課題/領域番号 |
16330131
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 洋子 京都大学, 教育学研究科, 教授 (20123341)
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研究分担者 |
溝上 慎一 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 助教授 (00283656)
矢守 克也 京都大学, 防災研究所, 助教授 (80231679)
佐藤 達哉 立命館大学, 文学部, 教授 (90215806)
松島 恵介 龍谷大学, 社会学部, 助教授 (50310123)
松嶋 秀明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 専任講師 (00363961)
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キーワード | 質的研究 / 語り / 心理学研究 / インタビュー / 物語 / ナラティヴ / 文化心理学 / 教育方法 |
研究概要 |
質的心理学の研究法と教育法の体系化を目的に、ナラティヴ(語り・物語)アプローチによるアクション・リサーチを行った。本年度は「3質的心理学の教育方法A:現場(フィールド)で語りをとらえる実習をどのように教えるか」をテーマにして、質的心理学研究を実践しつつ学びあう「渦」を共同生成するため、多様なプロジェクトを企画した。 1)「公開研究会」等の開催 2006年10月22日、茂呂雄二氏と當眞千賀子氏を招聘し、公開研究会「多声のナラティヴと対話-パフチンと心理学研究会」(京大)を開催。「生徒を抱える多声的空間としての「学校」-対話を開始させるズレの可視化(松嶋秀明)」「力と言説-パフチンの対話論と共同行為のミクロな発達(茂呂雄二)」「Unfinalizability-語りつくせなさを開くもの」を発表。11月22日、吉川肇子氏を招聘し、クローズド研究会「人生すごろく研究会」(京大)を開催。「人生すごろくを利用したナラティヴ研究の可能性(吉川肇子)」を発表。日本発達心理学会第18回大会(埼玉大学)にて、「日本の質的心理学の歴史をつくる-『日誌研究会』と質的研究の方法論」「質的研究の学び方-質的心理学の方法論(4)」シンポジウム企画など、先端的な研究を発表・討論の場をつくった。 2)文献講読会の開催、3大プロジェクトの展開 2006年6月4日、"Lines of Narratives: Psychosocial perspectives"読書会(京大)を開催し、若手研究者と大学院生の共同学びの場をつくった。 また、研究分担者は3大プロジェクトを役割分担し、全体計画を見据えつつ、各自の主体性と専門性を生かして積極的な活動を展開した。研究会や文献講読会の内容は、共同研究者間で「共同知」として蓄積できるようにした。 I研究会:研究会やシンポジウムなど若手や大学院生も含む複数の研究会を開催し、質的研究の「渦」をつくった。 II文献:文献講読会の開催、文献検索と文献収集、文献データ・ベースの作成を行い、質的研究の情報拠点をつくった。 III国際ネット:国際交流、国際的・学際的ネットワークの形成、アメリカ、オーストラリアなど海外の国際学会で積極的に発表し、質的研究の国際的・学際的拠点として、積極的に情報発信した。 http://www.k2.dion.ne.jp/~kokoro/quality/ 3)「著書検討会合宿」の開催 2006年9月22日〜24日、兵庫県豊岡市城崎町にて、2007年度出版予定の著書「質的心理学の方法」の検討会合宿を行った。事前に、参加者全員が全原稿を読み、意見をまとめ、検討会に臨んだ。合宿形式により、集中して濃密な議論を重ねることができ、各担当章の改稿へとつなげた。
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