• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

乳幼児のけんか遊び行動に関する比較発達心理学研究

研究課題

研究課題/領域番号 16330132
研究機関大阪大学

研究代表者

南 徹弘  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40030043)

研究分担者 日野林 俊彦  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (80156611)
安田 純  大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (30324734)
今川 真治  広島大学, 教育学研究科, 准教授 (00211756)
小島 康生  中京大学, 心理学部, 准教授 (40322169)
キーワード保育園児 / 泣き / 相互交渉 / 仲間関係 / 慰め
研究概要

本年度においては、保育園に通園する2歳齢から4歳齢の児の遊び場面、けんか場面における泣き行動および児の泣きに対する保育士や他児の行動の特徴を明らかにすることを目的とした観察を行った。集団保育場面において、2歳齢は3歳齢、4歳齢と比較して泣きの生起頻度が多かった。2歳齢では他児との相互交渉および保育士との相互交渉の両者が泣きの原因として認められたが、3、4歳齢では、保育士との相互交渉を原因とする泣きは少なく、他児との相互交渉に起因する泣きが殆どであった。これは3歳齢ごろから仲間関係が成立し、他者との相互交渉がより複雑になることや、発達に伴って情動調整が徐々に自律的になってくることが影響していると考えられる。泣いている児に対する他児の行動は、発達に伴う変化が認められた。具体的には、2歳齢では他児の泣きに対する行動として顕著に生起するものはなかったが、3歳齢では、泣いている児に対して接近し覗き込む行動が他の年齢と比較して多かった。4歳齢では泣いている児を慰める行動がみられたが、その一方で、泣いている児をからかう行動も多くみられた。年齢が上がるにつれ、泣いている児に対して、より直接的に関わることが示され、かつそれは、慰めるといった向社会的な行動としてだけではなく、否定的な関わりも含むものであった。また、特に2歳齢の泣き行動について注目すると、泣きを生起させることが頻繁である児が泣いている場合には、他児からの慰めは少なかった。あわせて、泣いている児と慰める児との関係を検討したところ、両者は、遊び場面において頻繁に相互交渉を示していた。泣いている児に対する他児からの反応は、その泣きのみによって決定づけられるものではなく、その児の属性、児と自身の関係性に影響を受けるものであることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 二人の子どもがいる母親に特有の育児困難感とその背景要因 -4か月齢の第二子を持つ母親と19か月齢の第二子を持つ母親の比較を通して-2007

    • 著者名/発表者名
      小島康生
    • 雑誌名

      小児保健研究 66

      ページ: 821-831

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 青年と性行動-草野いづみ「大学生の性的自己意識、性的リスク対処意識と性交体験」への意見論文

    • 著者名/発表者名
      日野林俊彦
    • 雑誌名

      青年心理学研究 19(印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 家族ダイナミクスの視点からみた親が子から離れる行動 -住居内での空間布置を手掛かりとした縦断的調査から-2008

    • 著者名/発表者名
      小島康生
    • 学会等名
      日本発達心理学会第19回大会
    • 発表場所
      追手門大学
    • 年月日
      2008-03-21
  • [学会発表] 初潮の時期に及ぼす同胞数の影響2008

    • 著者名/発表者名
      日野林俊彦・安田純・志澤康弘・南徹弘・糸魚川直祐
    • 学会等名
      日本発達心理学会第19回大会
    • 発表場所
      追手門大学
    • 年月日
      2008-03-20
  • [学会発表] 保育園児のいざこざへの介入行動2008

    • 著者名/発表者名
      安田純・日野林俊彦・南徹弘
    • 学会等名
      日本発達心理学会第19回大会
    • 発表場所
      追手門大学
    • 年月日
      2008-03-20
  • [学会発表] 子育て開始期に親はどのようなモノの助けを借りるか -4ヵ月齢から12ヵ月齢までの縦断的日誌調査から-2007

    • 著者名/発表者名
      小島康生
    • 学会等名
      日本心理学会第71回大会
    • 発表場所
      東洋大学
    • 年月日
      2007-09-19
  • [学会発表] 発達加速現象の研究・その21-性別受容と初潮-2007

    • 著者名/発表者名
      日野林俊彦・赤井誠生・安田純・志澤康弘・山田一憲・南徹弘・糸魚川直祐
    • 学会等名
      日本心理学会第71回大会
    • 発表場所
      東洋大学
    • 年月日
      2007-09-18
  • [学会発表] Menarche and interest in infants2007

    • 著者名/発表者名
      Hinobayashi, T., Akai, S., Minami, T., Itoigawa, N.
    • 学会等名
      13th European Conference on Developmental Psychology
    • 発表場所
      イエナ大学
    • 年月日
      2007-08-24
  • [図書] 発達心理学2007

    • 著者名/発表者名
      南徹弘
    • 総ページ数
      11
    • 出版者
      朝倉書店
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] 発達心理学2007

    • 著者名/発表者名
      日野林俊彦
    • 総ページ数
      14
    • 出版者
      朝倉書店
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] 発達心理学2007

    • 著者名/発表者名
      小島康生
    • 総ページ数
      16
    • 出版者
      朝倉書店
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi