研究課題/領域番号 |
16330138
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
佐藤 達哉 立命館大学, 文学部, 助教授 (90215806)
|
研究分担者 |
望月 昭 立命館大学, 文学部, 教授 (00166323)
瀧野 功 立命館大学, 大学院・応用人間科学研究科, 教授 (10216822)
松原 洋子 立命館大学, 大学院・先端総合学術研究科, 教授 (80303006)
松見 淳子 関西学院大学, 文学部, 教授 (10340895)
下山 晴彦 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60167450)
|
キーワード | 臨床心理学史 / 資格 / (米国臨床心理士の)投薬特権 / 文化と臨床心理学 / リハビリテーション心理学 / 軍事保護院 / 教育相談 |
研究概要 |
本年度は2年目にあたり、引き続き海外の臨床心理学に関する資格調査と日本臨床心理学史の研究を行った。また、海外の臨床心理学者との交流もさらに深めた。 臨床心理学に関する資格については再度ドイツにおいて調査を行った。ドイツには心理学に関する様々な資格があり、それらの展開の内実について「資格の種類」「それぞれの資格の成立年」「それぞれの資格の基礎要件(学卒とか大学院)」を中心に検討した。 アメリカにおいては、一部の州で、臨床心理士の投薬が可能となっている(投薬特権)。こうした制度ができた経緯の調査を開始した。 東京大学国際シンポジウム・コロキウム(企画・下山晴彦)「各国・各文化における臨床心理学発展の現状と課題」を共催し、Dietmar Schulte教授(ブッホム大学・ドイツ)、Edward Helmes教授(ジョンクック大学・オーストラリア)、Mingyi Qian教授(北京大学・中国)らから各国の事情を聞き、日本との比較を行った。 日本の臨床心理学については、戦中期におけるリハビリテーション心理学の萌芽として捉えられている軍事保護院における戦傷者支援の歴史的研究を継続し、さらに、戦前の臨床心理学活動として独立の相談室、教育相談所などの活動の調査を開始した。第二次世界大戦後に臨床心理学が広がっていく前提には戦前期のこうした活動が基盤となっていたようである。 以上に加え、研究代表者は『Japanese Psychological Research』誌の心理学史特集号を編集して公刊した。また、同じく代表者が編集した「心理学史の新しいかたち」(2005、誠信書房)においては歴史研究の方法論や臨床心理学に関する個別論文が含まれている。
|