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2007 年度 実績報告書

多様な長期記憶の形成を担う機能的神経回路の活動について

研究課題

研究課題/領域番号 16330140
研究機関京都大学

研究代表者

櫻井 芳雄  京都大学, 文学研究科, 教授 (60153962)

研究分担者 木津川 尚  大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (10311193)
キーワード長期記憶 / 神経回路 / ニューロン / 弁別課題 / 相互相関解析 / 前頭皮質 / 海馬 / ラット
研究概要

昨年度に引き続き、音条件性位置弁別課題、すなわち刺激として周波数の異なる2種類の音刺激(音A、音B)、反応として左右どちらかの穴へ鼻を入れるノーズポーク反応(反応R、反応L)を用い、音A→反応R、音B→反応Lという対応を学習させる課題をラットに訓練し、課題を学習する約3日間のプロセスをとおして、海馬のマルチニューロン活動を連続記録した。今年度はさらに前頭皮質のマルチニューロン活動も記録し解析した。そして、これまでに確立した独立成分分析(ICA)を応用した独自のリアルタイム式スパイク・ソーティング法を活用することにより、記録したマルチニューロン活動を個々のニューロン活動に分離し、さらに興奮性の錐体ニューロンと抑制性の介在ニューロンも区分し、従来の化学的シナプスだけでなく電気的シナプス(gap-junction)を介したニューロン問結合も検出した。本年度の結果も、前頭皮質の結果も含め、これまでと同様に、個々のニューロン活動、化学的シナプスを介したニューロン間の相互作用、電気的シナプスを介したニューロン間の相互作用の全てが、課題を行っているラットの行動の違いにより変化し得ることがわかった。また新たな課題として、新しい環境の自由探索課題を導入し、新規の環境を探索し次第に既知な環境へと記憶が形成されるプロセスの海馬のニューロン活動についても解析した。その結果、海馬ニューロンはその樹状突起から曖昧な場所情報を入力信号として受け取り、自由探索時の学習により次第にそれを特異的な場所情報に変換し、軸索から出力するようになることがわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Analysis of multineuron activity using the kernel method.2007

    • 著者名/発表者名
      Nomura, M., Sakurai, Y. and Aoyagi, T.
    • 雑誌名

      Journal of Robotics and Mechatronics 19

      ページ: 364-368

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Coding of spatial information by soma and dendrite of pyramidal cells in the hippocampal CA1 of behaving rats.2007

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, S., and Sakurai, Y.
    • 雑誌名

      European Journal of Neuroscience, 26

      ページ: 2033-2045

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ブレイン-マシン・インタフェースの現状と可能性2007

    • 著者名/発表者名
      櫻井芳雄
    • 雑誌名

      システム/制御/情報 51

      ページ: 464-472

  • [学会発表] Spatial information coded by the soma and dendrite of・・・.2007

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, S. and Sakurai, Y.
    • 学会等名
      37th Society for Neuroscience Annual Meeting
    • 発表場所
      サンディエゴ(米国)
    • 年月日
      2007-11-07
  • [図書] 脳の情報表現を見る2008

    • 著者名/発表者名
      櫻井芳雄
    • 総ページ数
      191
    • 出版者
      京都大学学術出版会
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [備考]

    • URL

      http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/~ysakurai/

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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