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2006 年度 実績報告書

居眠り事故を未然に防止するための睡眠・覚醒管理技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16330143
研究機関広島大学

研究代表者

林 光緒  広島大学, 大学院総合科学研究部, 助教授 (00238130)

キーワード居眠り事故 / 眠気 / 短時間仮眠 / 夜勤 / パフォーマンス
研究概要

20分以下の午後の仮眠が、日中の眠気や居眠り事故の防止だけでなく、夜勤中の居眠り事故防止にも効果的であるかどうかを確かめた。9名の実験参加者(平均22.3才)が、仮眠条件と仮眠なし条件の両条件に参加し、午前0時〜8時までの8時間、20分ごとに10分間のテストを繰り返して行った。テスト内容は、眠気・疲労の測定(1分間)、開眼時の脳波測定(1分間)、四選択反応時間課題(4分間)、時計型ヴィジランス課題(4分間)であった。午前2時から20分間、仮眠または休憩をとった。
20分間中の仮眠時間は、16.3分であった。仮眠からの起床直後には、眠気や疲労の増加は認められなかったことから、今回の仮眠は、起床後の眠気(睡眠慣性)を生じさせることがなかった。仮眠をとらなかった場合は、テスト終了に向けて眠気や疲労が増加し、作業成績も低下した。これに対して仮眠をとった場合には、眠気や疲労が仮眠後3時間抑えられ、作業成績の低下も2時間、有意に抑えることができた。開眼脳波から覚醒レベルを算出すると、仮眠をとった場合には、仮眠後5時間にわたり覚醒度が維持されることがわかった。
以上の結果から、夜勤中の午前2時に20分間の短時間仮眠をとることにより、1)起床後の睡眠慣性が少なく、仮眠からスムーズに覚醒できること、2)起床後3時間にわたって眠気や疲労を抑えることができること、3)夜勤中における作業成績の低下を2時間抑えることができることが明らかとなった。ただし、この仮眠では、4)午前6〜8時における疲労や眠気、作業成績の低下を抑えるまでには至らなかった。この対処策については、今後更なる検討が必要である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2006 その他

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 昼寝の効用2006

    • 著者名/発表者名
      林 光緒
    • 雑誌名

      神経内科 64・3

      ページ: 262-266

  • [雑誌論文] 睡眠時無呼吸症候群と居眠り事故2006

    • 著者名/発表者名
      林 光緒
    • 雑誌名

      JOHNS 22・6

      ページ: 781-784

  • [雑誌論文] Self-awakening, sleep inertia, and P3 amplitude in elderly people.2006

    • 著者名/発表者名
      Kaida, K.
    • 雑誌名

      Perceptual and Motor Skills 102

      ページ: 339-351

  • [雑誌論文] 自己覚醒の企図が睡眠経過中の時間判断に及ぼす影響2006

    • 著者名/発表者名
      池田大樹
    • 雑誌名

      生理心理学と精神生理学 24・3

      ページ: 227-235

  • [雑誌論文] 短時間仮眠が午後の運動パフォーマンスに及ぼす効果2006

    • 著者名/発表者名
      山本哲朗
    • 雑誌名

      生理心理学と精神生理学 24・3

      ページ: 24-256

  • [雑誌論文] 午後の眠気対策としての短時間仮眠

    • 著者名/発表者名
      林 光緒
    • 雑誌名

      生理心理学と精神生理学 (印刷中)

  • [図書] 睡眠とメンタルヘルス2006

    • 著者名/発表者名
      白川 修一郎(編)
    • 総ページ数
      360
    • 出版者
      ゆまに書房

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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