研究課題/領域番号 |
16330149
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋田 喜代美 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (00242107)
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研究分担者 |
佐藤 学 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (70135424)
小田 豊 国立教育政策研究所, 次長 (50024998)
芦田 宏 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教授 (20222606)
鈴木 正敏 兵庫教育大学, 学校教育研究センター, 助教授 (90273820)
門田 理世 西南学院大学, 文学部, 助教授 (10352197)
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キーワード | 幼小連携 / ビデオ刺激法 / 教育観 / 多声的エスノグラフィー / グラウンデッドセオリー / プロジェクトアプローチ / 記録 / 遊び |
研究概要 |
本年度は、以下の4点の調査研究等を実施した。第1に、幼児期における教育を担う保育者の知的発達観をショートビデオクリップを作成し予備的に面接調査分析を行ったことである。それによって知的発達の軸としての「集団対個」「教示的対支持的」の軸の抽出と、「集団規範の学び、学業的な知識習得」とは別のカテゴリーとして、「事物への関与、事物への没入、友達とのやりとりによる交渉、協同的な遊びの展開」という遊びの発展過程を知的発達の参照枠組として幼稚園教師がもっていることを明らかにした。第2には、第1の研究をふまえ、ショートビデオよりある程度の出来事を含むビデオの必要性から、幼稚園と小学校教師調査のためのロングビデオクリップ(保育場面、小学校1年生1学期授業場面)を研究の刺激材料として作成した。そして幼稚園教師には質問紙調査によって、小学校教師には個別面接でビデオ視聴による面接調査を実施した。その中で質問紙調査についてはすでに分析を実施し、幼稚園教師がもつ「よい保育」に関する実践的イメージを修正版グラウンデッドセオリーアプローチを用いて分析から明らかにし、質的心理学研究に論文として発表した。小学校教師についてはプロトコルを文字記録化し現在分析中の段階である。第3には、第1について幼稚園の教師が良く使用する用語について、その語の外延イメージを捉えることから幼小教師の授業観を検討する調査を実施し、幼稚園教師140名、小学校教師70名に調査を行いデータを収集した。次年度分析し発表する予定である。そして第4には、幼小の経験カリキュラムをプロジェクトアプローチという視点から幼稚園と小学校の教師の発達観をとらえるために、幼児教育でのプロジェクトアプローチについての文献研究を行った。現在作成したビデオクリップはある特定活動場面での出来事を中核にした刺激ビデオであるが、プロジェクト型の記録の必要性とそこでの日本の教師の教育観の固有性を考えるべく、2004年12月にアジア研究者と国際会議をもって議論を行った。
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