研究課題/領域番号 |
16330149
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋田 喜代美 東京大学, 教育学研究科, 教授 (00242107)
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研究分担者 |
小田 豊 国立特殊教育研究所, 理事長 (50024998)
芦田 宏 兵庫県立大学, 人間環境学部, 助教授 (20222606)
鈴木 正敏 兵庫教育大学, 学校教育研究センター, 助教授 (90273820)
門田 理世 西南学院大学, 文学部, 助教授 (10352197)
野口 隆子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 専任講師 (30383334)
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キーワード | 幼小連携 / ビデオ刺激 / 保育観 / 授業観 / 多声的エスノグラフィー / 質的研究 / 幼児教育 / 専門性 |
研究概要 |
本年度は、以下の3点のことを実施した。第1には、昨年度より継続的に行っている、ビデオ映像を刺激として保育者の「語り」を引き出し、そこから保育観・指導観を分析する多声的エスノグラフィーによる方法を用いて、小学校教師についてのデータ収集を32名の教師について実施した。そのプロトコルを文字化し、分析する作業を行った。なおこの作業自体は現在まだ進行中である。小学校データについては授業観尺度で測定された教師の授業観によって、ビデオ視聴後の語りに違いがみられることを、事例研究によって明らかにした。今後昨年収集した幼稚園教師の幼児教育ビデオ視聴プロトコルと本データとの比較検討を実施していく予定である。 第2には、「子ども中心」「トラブル」といった、ビデオ刺激法でのプロトコルにおいて教師がよく使用した同じ言葉を幼稚園と小学校の教師がどのよう理解しているのかを140名の教師を対象に自由連想法によって調べ、幼小の先生たちの保育観・指導観の違いを明らかにする「イメージ語」調査を行った。ここからは、小学校と幼稚園教師での相違が数量的に明らかになった。 第3には、幼小接続に関する国内外の実践的取り組み内容の収集である。連携において何が問題となり相違となっているのかを明らかにすることによって、幼児期と児童期の発達観の相違をさぐる基礎データ収集のために、国内での幼小連携の先進的テーマにとりくむ学校、幼稚園の研究推進担当者を研究会に招き、何が連携で困難であったかを聴く研究会を実施した。また接続を踏まえた施策が進行している東アジアの国や地域(中国、台湾、香港、韓国)から研究者を招き、幼小の連携と接続をテーマに国際会議を開催した。これらから、教師の意識を規定するカリキュラムの問題が指摘された。以上3点の本年の研究についての成果は、日本保育学会、ヨーロッパ乳幼児教育学会、日本乳幼児教育学会において発表し、シンポジウムを行い、また論文化して国内外の学会誌に現在投稿審査中である。
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