研究課題/領域番号 |
16330149
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋田 喜代美 東京大学, 教育学研究科, 教授 (00242107)
|
研究分担者 |
小田 豊 国立特殊教育研究所, 理事長 (50024998)
芦田 宏 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (20222606)
鈴木 正敏 兵庫教育大学, 学校教育研究センター, 助教授 (90273820)
門田 理世 西南学院大学, 文学部, 助教授 (10352197)
野口 隆子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 専任講師 (30383334)
|
キーワード | 幼小連携 / ビデオ刺激 / 保育観 / 授業観 / 多声的エスノグラフィー / 質的研究 / 幼児教育 / 専門性 |
研究概要 |
本年度は、昨年度調査を行った、ビデオ刺激法のプロトコルで教師がよく使用した共通の語彙を幼稚園と小学校の教師がどのように解釈するかを明らかにした「イメージ語」調査について投稿し修正要求に応じてさらに詳細に分析し、論文として教育心理学研究にて発表した。 また、幼小接続に関する国内外の実践的取組み内容の収集である。イギリス・ドイツ・オランダの各国における幼小の接続と連携の現状について、それを取り巻く制度上・実践上の最新の動向を収集した。イギリスにおける3歳児までの一部無償化や、ドイツにおけるフレキシブルスタート、アメリカでの就学の柔軟化などが行われており、5歳の教育のあり方ならびに1年生における授業の工夫や発達の個人差に応じた対応が各国で行われているという現状を明らかにした。また、日本においては、幼小連携の先進的事例に実際にアクションリサーチをしながら教科の視点や幼小連携の人事交流の意味等もふまえて検討を加えた。 そして昨年度に引き続き、作成したビデオ映像を刺激として保育者の「語り」を引き出し、そこから保育観・指導観を分析する多声的エスノグラフィーによる方法を用いて、幼稚園教師ならびに小学校教師についてのデータ収集を行った。最終的に、幼稚園教師60名・小学校教師60名について調査を実施した上で、そのプロトコルを文字化した。そのうち幼稚園・小学校それぞれ20名ずつについて、質的分析ならびに量的分析を行った。その結果、幼稚園教師は一つの活動に対して子どもの発達のさまざまな側面に目をむけていること、それに対して小学校教師は子どもの行動を細分化してとらえ、授業や活動の目標に即した形でコメントをしていることなどが明らかとなった。 今後は分析対象を、残りの40名ずつを加え計120名とし、それぞれのプロトコルについて詳細な分析を行い学会誌に投稿予定である。 以上3点の本年の研究についての成果は、日本保育学会、ヨーロッパ乳幼児教育学会、日本乳幼児教育学会において発表し、シンポジウムを行い、また論文化して国内外の学会誌への投稿準備を進めている。
|