研究課題
基盤研究(B)
本研究の目的は、ニューカマー児童生徒の教育・進路選択の多様化を考慮に入れ、かつ、異なるエスニックグループの要請と地域の実情に応じた教育支援を公的に展開する方策を検討することにある。平成16年度は、次の2つの課題について研究を遂行した。すなわち、課題(1):異なるエスニックグループに属する子どもたちの教育・進路選択の実態を把握する。課題(2):自治体の外国人教育施策の立案・実施過程を把握し、教育・進路選択の多様化の実情と、エスニックグループの多様性がどのように盛り込まれているのかを検証する。平成16年度は上記の2つの課題について、群馬県邑楽郡の大泉町に居住する学齢期のブラジル人、ペルー人、その他の外国人児童生徒とその家庭を対象に調査を遂行した。課題(1)については、次の2つの事項に関する調査を実施した。(a)教育・進路選択の実態:大泉町の外国籍児童生徒の就学状況ならびに進路選択の実態を聞き取り調査により把握した。(b)教育・進路選択の意志決定過程の把握:上記(a)の結果に基づき、就学状況を類型化し、その類型別にインタビュー調査を行い、外国籍児童生徒の教育・進路選択の決定過程を把握した。課題(2)については、(a)外国人教育施策の把握:伊勢崎市・太田市・大泉町で企画中あるいは実施されている外国人教育施策の種類と企画・立案/実施された背景を聞き取りとドキュメント調査により把握した。(b)外国人施策のなかで外国人教育施策がどのような特質を持っているのか、聞き取りとドキュメント調査により把握した。(c)外国人教育施策が、公立小中学校、ブラジル学校・塾・託児所関係者、外国人児童生徒とその家庭、不就学児童生徒に対してどのような影響を与えたのかを、聞き取り調査により把握した。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)
人口問題研究 第60巻3号
ページ: 20