研究課題
基盤研究(B)
本追跡調査は、日本の青少年の、学力・能力、アスピレーション、進路・職業生活の統計的ポートレートを手に入れることを目的とした縦断的調査研究である。学力・能力、アスピレーション、進路選択(学歴の獲得や就職)のパタンを、家庭的背景(社会階層、経済と文化)、学校的背景、地域的背景(労働市場を含む)などとの関わりにおいて把握することにより、学齢期から青年期にかけてのトランジションの過程を、社会的・文化的要因との関わりで明らかにする。そのため、平成16年度は以下の第一波調査研究を実施した。(0)先行研究のレビューと地域データの蒐集(1)児童・生徒質問紙調査、(小3、小6、中3、高3コーホート)東北地方のあるエリアを対象に、7〜11月に質間紙調査を実施した。対象校は、C市小中学校全校、高等学校は同市に所在する公立高等学校全校。回収数は、小3・921、小6・962、中3・968である。学校生活、家庭での生活の様子などに加え、進路意識、希望進路、市民性形成等を主な内容とした。(2)児童・生徒学力調査(国語、算数・数学、同上コーホート対象)同上の小・中・高等学校児童・生徒を対象に、学力調査(国語、算数・数学)を実施した。ここでは従来の指導要領に準拠した「学業達成」だけでなく、performance assessment(PA)、新学力観に基づく学力など、多様な「学力」の測定を試みた。(3)担任教員調査(ペダゴジー調査)教務担当教員・進路指導担当教員調査(教育課程と進路指導)上記調査に加え、担任教員の属性、ペダゴジーを明らかにするために、対象校・対象クラスの担任教員に対し質問紙調査を実施した。