研究課題/領域番号 |
16330174
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
大槻 寛 静岡大学, 教育学部, 教授 (90022219)
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研究分担者 |
柳沢 信芳 静岡大学, 教育学部, 教授 (40115457)
小西 潤子 静岡大学, 教育学部, 助教授 (70332690)
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キーワード | 学校 / 地域社会 / 民謡 / 発展的創造 / 現代的奏演 / 茶文化 / 東アジア |
研究概要 |
本年度前半は、静岡県の民謡のうち地場産業や文化と深く関係し、再創造・現代的奏演へのニーズが高い茶歌に絞り込み、関係者への聞き取りや茶畑の現状把握のためのフィールド調査を行った。茶歌の伝承はほとんど断絶していたため新たな収録はできなかったが、昭和初期のレコード収録など過去のデータや関係者子孫が保管する記録資料、口述情報が収集できた。これらから地域社会の具体的な変容を知るとともに、過去と現在、未来を結ぶ新しい茶歌創造に求められるイメージをつかんだ。これと平行して、国内外の記録保管所や伝統文化の再創造関連施設の視察や関係者への聞き取り調査を開始し、視聴覚資料の情報処理、発信の現状とその問題点などを把握した。 以上をもとに、大槻が新しい茶歌のモチーフを創作し、平成16年12月11日県内の民俗学者、邦楽演奏家、民謡研究家、教育および茶文化関係者を招聘して研究懇話会を開催した。小西による中間報告、柳沢による大槻の作品のピアノ演奏に続く討論により、労働歌としての茶歌が備える身体性への考慮、市民参加型再創造など今後の課題が明らかになった。 12月及び17年2月には、東アジアの茶文化と民謡の現状比較を目的に済州島及び台湾を視察した。これにより、東アジアにおける茶博物館設立など茶文化への関心は1990年代ほぼ同時期に起こったこと、またとりわけ台湾は新しい茶音楽の創造と普及の最先端であることがわかった。さらに年度末には、調査記録のビジュアル化や合理的な分類手法について検討した。
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