研究課題/領域番号 |
16330177
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
位藤 紀美子 京都教育大学, 教育学部, 教授 (80027713)
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研究分担者 |
植山 俊宏 京都教育大学, 教育学部, 教授 (50193850)
上田 祐二 北海道教育大学, 旭川分校・教育学部, 助教授 (50213369)
村井 万里子 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (30174262)
田中 智生 岡山大学, 教育学部, 助教授 (00171786)
山元 悦子 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (20220452)
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キーワード | コミュニケーション / 論争的会話 / 累積的会話 / 探索的会話 / コミュニケーション能力育成単元 / コミュニケーションモデル / コミュニケーション能力発達モデル / ロールプレイ用シナリオ教材 |
研究概要 |
本年度は、研究計画の最終年度として、実験授業の実施とその分析、及び本研究課題に関わる最終的な考察を中心に研究活動を行った。低学年のみ、前年度に実験授業(低学年のみ2回)を終えているので、その分析の年度とした。 1、実験授業 (1)実験授業の仮説 会話が、「論争的会話」⇒「累積的会話」⇒「探索的会話」(マーサ1995、1996)という順に進行していくととらえた。また会話における相互の関係が、「連鎖」(低学年)⇒「分離(対立・協調)」(中学年)⇒「組織化」(高学年)へと変容すると想定した。コミュニケーションを自覚化する教材を開発することで授業成果が土がるとした。 (1)小学校低学年 年度の前半と後半との2回行った。後半のみ仮設に関わる萌芽的な要素が部分的に見受けられた。ただし、学級集団全体としての方向性は見取られなかった。 (2)小学校中学年 仮説に沿った要素が認められた。ただし、話の三段階は習得的な段階を示すもので、自然発生的な段階ではないことが確認できた。 (3)開発した教材を用いることにより仮説に適う要素が学級全体的に確認された。このことからもコミュニケーション能力は学習により習得される面が大きいことが認められた。 2,結論 (1)コミュニケーション能力の発達段階が全体的に把握できたこと。(2)またそれは段階を順次高めていくものであって、飛躍的なものではないこと。(3)中学年から高学年にかけて、十分な学習指導が行われない場合、低位の段階にとどまる危険性があり、指導及び教材の重要性が確認できたこと。(4)シナリオ教材(ロールプレイ)の開発によりコミュニケーションを自覚的にとらえる能力が育成できたこと。(5)最終的にコミュニケーション能力育成の単元を提案したこと。(6)コミュニケーション能力のモデル、その発達モデルを提案したこと。以上が研究成果である。
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