研究課題/領域番号 |
16330180
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
奥 忍 岡山大学, 教育学部, 教授 (70031565)
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研究分担者 |
権藤 敦子 広島大学, 大学院・研究科, 助教授 (70289247)
GOTTSCHEWSKI Hermann 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (00376576)
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キーワード | 詩の朗読 / 私と小鳥と鈴と / 高野辰之 / 翻訳歌 / 阿夫利神社 / 祝詞 |
研究概要 |
平成18年度の研究は以下の通りである。 1)音声表現の実験的なアプローチ:奥忍は、金子みすヾの「私と小鳥と鈴と」に焦点をあて、専門家による朗読と小学生によるモデル朗読の分析、大学院生を対象とした、初見と再読における音声表現の比較、行間と連間の「間」のとり方に関する認知実験を行った。これらの一部分の成果を「詩の朗読における音声表現」と題して『岡山大学教育実践総合センター紀要第7巻』(2007年3月刊行)に発表した。 2)歴史的なアプローチ:権藤敦子は、《故郷》《紅葉》《朧月夜》などの作詞者、高野辰之の言説に焦点をあて、東京音楽学校との関わり、対象としての日本音楽の範囲、高野の歴史観における西洋音楽と日本音楽、子どもの歌と日本音楽の視点から分析した。これらの成果を「高野辰之と日本音楽」と題して「広島大学大学院教育学研究科紀要第一部代55号」(2006)に発表した。 3)「語り」と「うたい」に関するフィールドワーク:Gottschewskiは、歌詞の配分研究で視野を広げて、西洋の歌詞(ドイツ語、英語を中心に)と東アジアの歌詞(日本語と朝鮮語を中心に)を、翻訳歌を比較しながらそれぞれの言語の特徴について研究した。また歌詞の配分の変更/誤りを戦前のレコードで分析した。さらには阿夫利神社の祝詞と神歌をビデオに撮り、集団での話し声と歌い声の分析を始めた。その分析は続けて19年度にもやっていきたいと思う。 4)学習への適用について:Gottschewskiは、国際日本文化研究センター主催の「第8回在住外国人シンポジウム「コミュニケーションを考える」において「音楽教育と語学教育の共通点」と題して、わらべうたや伝統芸能に見られるリズム感に基づく言語教育への提言を行った。奥忍はコメンテーターとして、遊びにおける身体性とリズムの視点からコメントを行った。 5)基礎研究の教員養成への適用について:奥忍は、日本音楽教育学会中国地区例会のパネルディスカッション「国,民族の文化基盤としての音楽とことば」において、「教員養成の視点から」から近年の動向を分析し、日本音楽学習の充実と発展のためにできることについて提言を行った。
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