研究概要 |
平成16年度は,エジプトおよびニュージーランドにて地震教育・地震防災教育のための教科書・教材等の資料収集を行った.また,あわせて地学教育のための教科書,教材等の資料収集も行った. エジプトでは,中等学校3校を視察し,これら3校およびスエズカナル大学で議論・資料収集を行った.その結果,エジプトの高等学校3年生の約8割が文系選択,約2割が理系選択であり,文系選択者のほとんどが地学の内容を含む科目"Env.Sci. & Geol."を選択履修していることが判明した.その一方で,理系選択者で"Env.Sci. & Geol."を履修している生徒は極少数であることが判明した.ただし,日本と大きく異なる点は,各校で"Env.Sci. & Geol."が開講されており,また履修希望者が1名でも開講する点があげられる.これらの結果は,日本の高等学校における選択科目の開講方式に関して今後見直しが必要であることを示唆している. この成果は,地球惑星科学関連学会2005年合同大会地学教育セッションにて報告予定であり,投稿は受理されている.また,論文を投稿準備中である. ニュージーランドでは,中等学校2校を視察し,これら2校およびビクトリア大学,カンタベリー大学で議論・資料収集を行った.現在,収集した資料を分析中である. また,新潟県中越地震の発生にともない,新潟県中越地震の記録を教材化することを企画し,大学が所有している地震計を新潟県の小学校に設置し観測を続行中である.小学生でもP波,S波が読み取り可能な地震波形がすでに収集されており,教材化への取り組みを行っている.
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