研究課題/領域番号 |
16330185
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
室橋 春光 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (00182147)
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研究分担者 |
田中 康雄 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (20171803)
田村 守 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (80089888)
諸富 隆 作新学院大学, 学長 (60003951)
片山 順一 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (80211845)
河西 哲子 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 助手 (50241427)
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キーワード | 軽度発達障害 / 高次脳機能障害 / 読字障害 / 事象関連電位 / 気づき・意図検出 / 局所・大局情報処理 / 音韻処理過程 |
研究概要 |
1.高次脳機能障害を有する児童における記憶機能の不全を検討するための基礎研究として、大学生を対象とした展望的記憶の生理心理学的研究を行った。高次脳機能障害では、し忘れが多く生じる。このことは、意図の実行のための気づきと検索の過程のいずれかあるいは両方に困難のあることを示唆する。意図手がかり情報の検出と意図内容情報の検索の過程にかかわる脳活動を、多チャンネル高密度マッピング事象関連電位測定法により検討した。その結果、意図手がかり情報の検出には刺激提示後約300msに生ずる陰性成分が、また意図内容情報の検索には刺激提示後600-700msに頂点を有する陽性成分が関連することを確認した。今後、高次脳機能障害を有する児童を対象として分析を行う予定である。 2.学習障害など、発達障害を有する児童においては、局所(Local)情報と大局(Global)情報を適切に処理することが難しいと想定される。両者の情報処理過程を検討するための基礎研究として、大学生を対象とした。局所(local)情報と大局(Global)情報の処理過程にかかわる脳活動を、多チャンネル高密度マッピング事象関連電位測定法により検討した。その結果、両者の処理に特異的に関連する脳領域と時間的経過が明らかにされた。今後、学習障害などを有する児童を対象として分析を行う予定である。 読字障害では、母語のみならず、外国語の習得に対しても困難がある。読字障害を有する日本語母語生徒1名を対象として、音韻学習中心の英語読み指導を行った。その結果、指導開始当初50%程度であった正答率が約1年後には90%以上になった。さらに当該方法の妥当性を検討するため、対象児を増やして検討中である。さらに客観的評価方法の開発のために、多チャンネル高密度マッピング事象関連電位測定法を用いた音韻処理過程分析法の検討を進めている。
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