研究課題/領域番号 |
16330186
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中野 泰志 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(特任教授) (60207850)
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研究分担者 |
福島 智 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (50285079)
布川 清彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員 (90376658)
苅田 知則 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員 (40363189)
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キーワード | 感覚障害 / 視覚障害 / 聴覚障害 / 重複障害 / 自己決定 / 支援技術 / AAC / 評価 |
研究概要 |
近年、障害の重度・重複化や多様化が進んでいるといわれる。特殊教育諸学校等においても、複数の障害を併せもっている重度重複障害の人の割合が増えてきている。寝たきりの状態で自力では活動出来ない場合もあり、生命を維持したり、安全を確保することがケアの主眼になっている場合も多い。特に感覚障害を併せもつ場合、決定や選択のために、何かを見せようとしたり、聞かせようとしても反応がはっきりしないため、見えているのか、聞こえているのかわからないという状況になることが少なくない。このような感覚障害を併せもつ重複障害の場合、本人の意思を把握するために、従来のAAC(Augmentative and Alternative Communication)技法や支援技術がうまく適用できない場合がある。 本研究の目的は、感覚障害を併せもっている人がAAC技法や支援技術を活用できるようにする際、1)どのような感覚情報が利用可能かを正確に評価し、2)本人が利用できる情報に基づいて環境整備をすることの重要性を支援者が共感的に理解し、3)具体的な環境整備をマネージメントするための方略を明らかにすることである。本年度は、a)重複障害児・者の感覚機能に関するフィールド調査、b)自己決定に関する理論と手法の整理、c)支援機器データの収集、d)言語を用ない感覚機瀧評価手法に関する予備実験を実施した。その結果、1)養護学校に在籍する感覚障害を併せもつ重複障害児・者の割合が少なくないこと、2)AAC技法や支援技術の活用が必要なケースが少なくないこと、3)支援機器を用いたAAC技法を適応するのが困難な場合が少なくないことがわかった。また、4)障害児の自己決定の支援に活用できる機器が約1000種類あることがわかった。そして、5)言語を用いない感覚機能評価手法として、眼球運動が指標になり得ることがわかった。
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