研究課題
本研究の目的は、感覚障害を併せもっている障害児・者がAugmentative and Alternative Communication (AAC)技法や支援技術(Assisstive Technology)を活用できるようにする際、1)どのような感覚情報が利用可能かを正確に評価し、2)本人が利用できる情報に基づいて環境整備をすることの重要性を支援者が共感的に理解し、3)具体的な環境整備をマネージメントするための方略を明らかにすることである。そこで、a)重複障害児・者の感覚機能に関するフィールド調査、b)自己決定に関する理論と手法の整理、c)支援機器データの収集、d)言語を用いない感覚機能評価手法に関する試作・実験を実施した。文部科学省の特別支援教育資料を分析した結果、盲・聾・養護学校に在籍する小・中学生のうち、現在、半数近くの幼児児童生徒が重複障害学級に在籍していることがわかった。特に、盲学校で義務教育を受けている児童・生徒のうち、重複障害は45.8%で、知的障害を併せもつケースが約7割と多いことがわかった。また、聾学校や養護学校にも重複障害児は多く、明らかに視覚障害を併せもつことがわかっている児童・生徒数を推計すると約200人で、そのほとんどが知的障害の養護学校に在籍していた。フィールド調査の結果、このような感覚障害を併せもつ重複障害の場合、本人の意思等を把握するために、従来のAAC技法や支援技術がうまく適用できない場合があることがわかった。その原因として、障害児の自己決定の支援に活用できる支援機器は約1000種類あるものの感覚障害を併せもつ重複障害児にどのように適応すればよいかわからないケースが多いことがわかった。そこで、適切な支援機器選定を支援するために、評価用シミュレーション装置と眼球運動を指標とした視機能評価装置を試作した。
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