研究課題/領域番号 |
16340001
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮岡 洋一 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (50101077)
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研究分担者 |
桂 利行 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (40108444)
川又 雄二郎 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (90126037)
斎藤 毅 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (70201506)
寺杣 友秀 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (50192654)
中村 郁 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (50022687)
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キーワード | ファノ多様体 / 有理曲線族 / 2次超曲面 / 一般型曲面 / ラング予想 / 標準次数 |
研究概要 |
研究代表者は、ネフな接束をもつファノ多様体など、代数多様体上の有理曲線の族の構造について詳しく研究した。その一環として、2次超曲面を、反標準因子と曲線との交点数に関する簡明な不等式で特徴付けることに成功し、Numerical characterizations of hyperquadricsとして出版公表した。同結果は、従来知られていた様々な特徴付け(Brieskorn.小林・落合)をより高い立場から統一的に説明するとともに、応用範囲を広げるものである。これと平行した第2の研究テーマとして、Green-Griffiths-Langの予想との関連において、極小一般型複素代数曲面上の曲線と標準因子との交点数(曲線の標準次数)を研究した。その結果、曲面の第1チャーン数が第2チャーン数より大という条件下では、曲線の標準次数は曲線の種数と曲面のチャーン数の具体的関数で上からおさえられることを証明した。重要な系として、一般型曲面上の有理曲線や楕円曲線の有限性(代数的Lang予想の特殊ケース)が直ちに従う。以上の結果はA remark on a theorem of Bogomolovとして投稿中である。第3の研究テーマとして、複素シンプレクティック多様体とそのファイバー空間構造を調べたが、この方向では当初もくろんだモジュライの有界性といった結果を得ることはできなかった。 研究協力者の成果としては、川又雄二郎の導来圏の研究、金銅誠之のK3曲面のモジュライ空間の研究、斎藤毅の数論的分岐理論の構築、玉川安騎男の遠アーベル幾何学の仕事、伊吹山知義のモジュラー形式の研究などが重要である。なかでも寺杣友秀は、多重ゼータ値に関する一連の業績で高い評価を受け、2006年国際数学者会議の招待講演者に選ばれた。
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