研究分担者 |
金子 昌信 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (70202017)
松村 昭孝 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60115938)
宮本 雅彦 筑波大学, 理工学群数学系, 教授 (30125356)
古閑 義之 福井大学, 工学研究科, 准教授 (20338429)
山根 宏之 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (10230517)
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研究概要 |
平成16年度から19年度にかけて点付きリーマン面のモジュライ空間上の共形場理論を構成する研究を実施した.まず,頂点作用素代数の表現論を精密に論じ該当する頂点作用素代数がZhuの有限性条件をみたすときの表現論を確立した.これにより,射影直線上の共形場理論を構成することに成功した.当該研究改題においては点付きリーマン面上で共形場理論を構成した。さらに点付きリーマン面が与えられたとき,頂点作用素代数から座標変換則をもつカレントLie代数を構成し,それを用いて,余不変量の空間をリーマン面上の層として構成した。Zhuの有限性条件のもとではファイバーに現れるstalkは有限次元である。すなわち,連接層が構成された事になる。さらにこの連接層は,頂点作用素代数のVirasoro元に由来する平坦接続をもつので局所自由層,つまり,ベクトル束になる。射影直線の場合には考察する頂点作用素代数がrational,つまり,完全可約である場合には,指定した点が4点以上のリーマン面の余不変量の次元を射影空間に3点を与えた余不変量の空間の次元で表現する因子化の定理を得た。 一方,Zhuの条件をみたすが完全可約でない頂点作用素代数の研究を行った。その典型例がW代数であり,現在,その性質を集中的に研究している。W代数は完全可約でないのでその既約表現以外に,ihdecomposableな表現をもつ。この表現は具体的に構成され射影加群であると予想される。射影性が証明されれば,すべてのExt群が計算され表現論が本質的に理解されたことになる。W代数は2以上の自然をパラメータpとするが,p=2のときその表現の圏は,restricted quantum group Uq(s1(2))q=iの表現の圏と圏同値である事が知られている。本研究で,この事実に注目して結び目の不変量を構成した。
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