研究分担者 |
臼井 三平 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90117002)
遠藤 久顕 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (20323777)
足利 正 東北学院大学, 工学部, 教授 (90125203)
徳永 浩雄 首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 教授 (30211395)
島田 伊知朗 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (10235616)
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研究概要 |
本研究は,非特異射影代数曲面がもつ代数曲線束を代数幾何学的側面と位相幾何学的側面の両面から捉え,それらを総合的に扱うことを目的として遂行された.具体的には,代数曲線束のスロープ,局所符号数(符号数の偏在化),モーデル・ヴェイユ格子の研究が主眼である.得られた数学的研究成果のうち主たるものとして,有理曲面がもつ非超楕円的曲線束のスロープ,クリフォード指数とモーデル・ヴェイユ階数に対する精密な不等式,その不等式の境界に位置する代数曲線束の構造解明,2次元正規特異点や代数曲線束における相対標準一次系の固定部分に対する有理性・楕円性,代数曲線束芽に対するエータ不変量を経由する局所符号数と安定還元芽のもつ同種の符号数との比較公式などが挙げられる.これらをはじめとして,研究期間中には研究代表者や研究分担者によって,合計57編の学術論文が執筆され,121の研究発表が行われるなど,著しい成果が挙げられた.また,2005年にハノイ(ヴェトナム)で開催した国際研究集会「第2回東アジアの代数幾何」を含む,6つの研究集会を主催・共催して当該研究分野の活性化に寄与すると共に,研究集会の報告集を作成・配布することによって研究成果の公表に努めた.報告集のうちひとつは,その重要性を鑑みて単行本として出版している.同時に,国内外で開催される様々な研究集会に研究協力者を派遣,外国人研究者を計6名招聘するなどして研究交流を深め,直接に議論を行った.研究代表者や研究分担者によるこのような活発な研究活動や成果を通して,本研究の目的が十分に達成されたことは明らかである.
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