研究課題/領域番号 |
16340012
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
佐藤 文広 立教大学, 理学部, 教授 (20120884)
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研究分担者 |
比嘉 達夫 立教大学, 理学部, 教授 (00150748)
筧 三郎 立教大学, 理学部, 准教授 (60318798)
伊吹山 知義 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60011722)
広中 由美子 早稲田大学, 教育学部, 教授 (10153652)
木村 達雄 筑波大学, 数学系, 教授 (30022726)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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キーワード | 概均質ベクトル空間 / ゼータ関数 / 保型形式 / アイゼンシュタイン級数 / クリフォード代数 / 球関数 |
研究概要 |
本研究の中心課題は、(1)概均質ベクトル空間のゼータ関数と保型形式の関連を明らかにすること、および、(2)概均質ベクトル空間論の枠組みを越えた局所ゼータ関数の関数等式の成立の可能性を探ることであった。 (1)保型形式との関係においては、系列型の概均質ベクトル空間のうち5系列について、適当なアイゼンシュタイン級数から定まる標準L関数、ないしは、Koecher-Maassゼータ関数と同定することができた。系列型のうち、一般線型群の2階対称テンソル表現から得られるもの、そして、散在型の空間について研究を進めることが今後の課題である。また、以上の研究と関連して、アイゼンシュタイン級数のフーリエ係数の研究を進め、フーリエ係数のp-部分とp 進半単純対称空間の球関数との関係、素数ベキレベルの種テータ級数の一次独立性とアイゼンシュタイン級数の基底問題などについて、新しい結果が得られた。 (2)概均質ベクトル空間論の枠組みに含まれない関数等式の構成という問題については、適当な条件を満たす良い二次写像による引き戻しによって、関数等式を満たす多項式からやはり関数等式を満たす新しい多項式を構成する方法を確立し、それによって、Faraut-Koranyi-Clerc等の先行研究を大いに一般化することができた。さらに、その応用として、2つのクリフォード代数のテンソル積から関数等式を満たす多項式が得られることを示した。以上の結果と概均質ベクトル空間の理論とを統合する視点の発見が今後の課題であり、その解決はゼータ関数にとって本質的に重要な関数等式の成立根拠に新しい光を与えるものになると予想される。
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