研究分担者 |
井関 裕靖 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90244409)
塩谷 隆 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90235507)
藤家 雪朗 東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (00238536)
尾畑 伸明 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10169360)
納谷 信 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (70222180)
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研究概要 |
1)結晶格子,すなわちアーベル群の作用する無限グラフ上のランダム・ウォークの大偏差とその幾何的意味付けについて研究し,漸近項を求めるとともに,減衰オーダーを表すレート関数と,結晶格子の無限遠での接錐の関係を明らかにした.結晶格子のスケールをゼロに近付けて行くと,グロモフ・ハウスドルフ位相で,有限次元ベクトル空間に収束する.極限に現れる距離に関する距離球が,ランダム・ウォークのレート関数の定義域に一致するというのが,主な結果である,一般には,グロモフ・ハウスドルフ位相の極限空間は抽象的な存在が確認できるのみであるが,我々は,大偏差原理を利用することで,この距離球が多面体であり,また,その多面体を結晶格子の幾何学的・組合わせ論的な性質で具体的に求める手段を得た, 2)結晶格子に磁場のある場合には,磁場付き推移作用素のスペクトルが,磁場に関してどのように依存するかを研究した.研究計画調書にあるように,磁場をアーベル群の第1コホモロジーとみなすことで,磁場の下での平行移動を基底とするC*環を構成した.スペクトルの複雑な変化の様子と,このC*環の代数的構造の磁場に対する変化の様子に注目することで,スペクトルが磁場に関してリブシッツ連続であることを示した,また,スペクトル集合の自己相似性を説明するためにC*環のHilbert bi-module構造を利用できると考え,その第一段階として我々の場合にHilbert bi-module構造を持つことをしめした.
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