研究課題/領域番号 |
16340016
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
斎藤 恭司 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20012445)
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研究分担者 |
向井 茂 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (80115641)
斉藤 盛彦 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (10186968)
寺尾 宏明 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90119058)
諏訪 立雄 新潟大学, 工学部, 教授 (40109418)
青木 宏樹 東京理科大学, 理工学部, 講師 (10333189)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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キーワード | 原始形式 / リー環 / 行列分解 / 導来圏 / 鏡映群 / 不連続群 / 分配関数 |
研究概要 |
当研究計画の目的は原始形式とその周期写像のリー環論的研究であった。関連する内容は多岐に渡るが大きく以下のような成果が得られた。 1.これまで、古典的半単純リー環、アフィンリー環、楕円リー環等の個別のリー環を構成してきたが、梶浦高橋等との共同研究でもっと圏論的に体系だってリー環を行列分解のなすカテゴリーを用いて構成する方法を開発した。これにより従来バラバラだった概念:原始形式、消滅サイクル、連接層の圏の導来圏、リー環等などが一望のもとに体系だって扱える見通しが生まれた。特にε=-1の場合の圏のstrongly exceptional collectionを決定した。これは従来詳しく研究されて来たカッツームーディ型のリー環の枠を本質的に越えた新しいワイルドなリー環を与えるものとなっており、引き続きそれに付随する原始形式の研究は数学に新な内容をもたらす事が期待される。(査読付発表論文3編) 2.周期領域の位相に関しては、古典的な有限鏡映群のディスクリミナントの補集合がArtin群を基本群にするEilenberg-Mclane空間になることの(部分的)別証明を実代数幾何を用いて与えた。またその証明の応用として有向treeの順序の線形化の個数の評価等、組み合わせ論と表現論とが関わる成果を得た。(査読付発表論文2編) 3.当初申請では大きく取り上げなかったが、当研究費の支援を受けて有限生成不連続群上の分配関数の研究が大幅に進展したのでその件についても報告する。これはIsing modelに関するOnsagerの1950年代の研究に端を発する課題であるが、任意の非可換束上の分配関数の高温展開の理論を建設するものである。その様な抽象的な分配関数全体のなすコンパクト空間Ω(Γ,G)の理論を建設すると同時に対応する群の増大関数に関する極限集合Ω(P_Γ,G)とその両極限集合の間の比較定理、跡公式等の理論を作った。現在投稿中である。
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