研究課題/領域番号 |
16340026
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
前園 宜彦 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (30173701)
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研究分担者 |
岩本 誠一 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (90037284)
小西 貞則 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (40090550)
中井 達 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (20145808)
百武 弘登 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (70181120)
内田 雅之 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (70280526)
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キーワード | 正規化変換 / 漸近平均二乗誤差 / 非線形モデリング / 正則化基底展開法 / マルコフモデル / 繰り返し測定 / 統計的漸近理論 / 多段決定問題 |
研究概要 |
本研究では複雑な統計モデルでのノンパラメトリックな推測法の改良とその応用の研究を行っており、本年度は昨年度の研究成果を発展させて、以下の研究成果が得られた。 1.統計量の重要なクラスである順序統計量の線形結合(L-統計量)に対して、スチューデント化したときのエッジワース展開を求め、正規化変換を構成した。また比の形で与えられる統計量の漸近表現を求め、それを利用して漸近平均二乗誤差を理論的に求めた。2.複雑な非線形構造をもつ高次元データに基づく非線形回帰モデリング、次元圧縮、非線形識別・判別について研究を推進し、新たな基底展開法に基づくモデリング手法の開発と正則化基底展開法の理論研究を行った。開発した非線形モデリング手法をスペクトルデータの分析,歩行動作過程のデータに基づく機能予測に適用し、その有効性を検証した。3.繰り返し測定データの解析において、モデルが非線形で共分散行列が異なる場合の二標本問題について、パラメータの関数の差の信頼区間を近似的に与えた。また、シミュレーションにより、近似が良好であることを検証した。4.不確実性下におけるマルコフモデルとして非加法型確率的動的計画法を新たに導入して、非線形評価として最小型・範囲型の最適化を埋め込み法で解決し、具体的問題を挙げてその最適解をグラフ表示した。またこの成果の統計的推測への応用を研究した。5.微小拡散をもつ拡散過程に従う離散観測データから、未知のドリフトパラメータを推定する研究を行った。具体的には、等間隔に観測された離散データから拡散過程の生成作用素に基づいたマルチンゲール推定関数を構成して、それから得られる推定量が一致性、漸近正規性をもつことを証明した。
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