研究課題/領域番号 |
16340031
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
平良 和昭 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90016163)
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研究分担者 |
磯崎 洋 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90111913)
若林 誠一郎 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (10015894)
宮地 晶彦 東京女子大学, 文理学部, 教授 (60107696)
八木 厚志 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70116119)
中村 玄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50118535)
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キーワード | 数理生態学 / 非線形境界値問題 / マルコフ過程 / フェラー半群 / 特異積分作用素 / 逆問題 |
研究概要 |
本年度の研究実績は、以下の3つの研究成果に分類される: (1)まず、数理生態学の「人口動態論」を非線型境界値問題と捉えて、詳しく考察した。特に、空間的に不均一な生息環境において生物がランダムに振る舞うと仮定して、時間とともに個体が分散して分布が空間的に広がる生物拡散について、マルコフ過程の境界値問題の研究に有効であった手法及びアイデアを用いて研究を行った。自然環境が安全な場合と危険な場合が混在する状況下で、ディリクレ問題の第一固有値の言葉で、人口動態論を数学的に解明する試みである。この研究成果は、地中海数学ジャーナルの創刊号の招待論文として発表された。 (2)次に、確率論における「マルコフ過程の境界値問題」を関数解析学における「フェラー半群の存在問題」として捉えて、詳しく考察した。特に、1950年代にカルデロンとジグムントによって創始された特異積分作用素の理論を広汎に援用して、不連続な係数を持つ場合に研究した。この研究成果は、中国科学院の数学年報に発表される予定である。 (3)さらに、2004年10月9日から11日まで、愛媛大学工学部において、全国の若手研究者を中心にした研究集会「松山偏微分方程式研究集会」を開催した。この研究集会の研究テーマは、非線形偏微分方程式の一般論であり、合計12件の講演が行われた。また、2005年3月6日から8日まで、筑波大学において、国際会議「数理科学セミナー」を開催し、中国、韓国、フィンランド、アメリカ等から多数の研究者が参加した。この研究集会の研究テーマは、化学及び工学における逆問題であり、合計11件の講演が行われた。尚、これら2つの研究集会の研究成果は、議事録として、公表される予定である。
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