研究分担者 |
織田 孝幸 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (10109415)
小林 俊行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (80201490)
松本 久義 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (50272597)
関口 英子 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (50281134)
寺田 至 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (70180081)
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研究概要 |
1.古典ルート型に対応する完全積分可能量子系の分類の予想を与え,適当な条件下でそれを証明した.特に重要な無限遠の一点で確定特異点をもつものは完全に分類された.さらにSchrodinger作用素と可換な高階作用素の具体形を与えて完全積分可能性を示し,一意性を示すと共に可積分系の相互関係を明らかにした. 2.簡約Lie環のスカラー型一般Verma加群の普遍包絡環における零化イデアルの生成元を,線形代数の単因子の概念を量子化すること,および最小多項式の概念を量子化することによって2通りの方法で具体的に求めた.これにより一般旗多様体上の退化系列表現の満たす微分方程式系を得ることができ,表現論的観点から,Poisson変換やRadon変換などを含む積分幾何に応用した. 3.退化主系列表現のWhittaker模型の存在条件および代数的実現と緩増加実現の各重複度公式を得た.特にK有限ベクトルの動径成分の満たす微分方程式を具体的に与え,古典的なWhittaker関数で表せる条件を決定した. 4.確定特異点より若干広いクラスの偏微分方程式系の一般論を作り,多値正則解を構成した. 5.ルート系の間の準同型写像の同型類の完全代表系が拡大Dynkin図式を用いて記述できることを示し,ルート系の部分系の完全な分類表を作成して,各部分系の種々の特徴を明らかにした. 6. Heckman-Opdamの超幾何系に対し,合流操作,特異集合への制限,および,別の実型への解析接続を研究し,具体的な解空間の次元や大域的振る舞いについての結果を得た.特に実簡約リー群の極大ベキ零部分群の指標からの誘導表現に実現されるWhittaker模型の緩増大ベクトルがHeckman-Opdamの超幾何関数の合流操作から得られることを示した.
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