研究分担者 |
田村 博志 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (80188440)
高信 敏 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (40197124)
藤原 大輔 学習院大学, 理学部, 教授 (10011561)
田村 英男 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (30022734)
谷島 賢二 学習院大学, 理学部, 教授 (80011758)
|
研究概要 |
本年度は本研究の2年目であり、更に研究が進展した。昨年度と同様に経路積分との関連を意識しつつ,シュレーディンガー作用素論における例や応用を参考にしながら,作用素ノルムでの自己共役トロッター・加藤(Trotter-Kato)積公式及び関連する経路積分の問題に関して成果が得られた. 1.一瀬は,平成15年度に田村英男,田村博志,海外研究協力者V.A.Zagrebnovと共に作用素ノルムで収束する自己共役トロッター・加藤積公式を確立した。その近似の良さから,もしかしたら,積分核の各点収束も言えているのではないかという問題を田村英男と共に考えてきた。実際,既に2004年にComm.PDEに出版した共著論文において,多項式オーダーで増大する滑らかのポテンシャルを持つシュレーディンガー半群に対して,積分核も同じ良い誤差評価で収束していることを証明している。 2.今年度になって更に,一瀬は田村英男との共同研究で,ポテンシャルがすべての点で滑らかでなくても特異性を持つときも,積分核がポテンシャルの特異点を除いた領域で局所一様収束することを証明し,学術誌(J.Reine Angew.Math.)にこの成果を書き現在印刷中である。そこには更に,ラプラス作用素とあい有界領域上の2乗可積分関数の空間への直行射影作用素とのトロッター積の積分核がこの領域のDirichlet境界条件つきラプラス作用素の半群の積分核に,領域の内部で局所一様収束することも証明した。 3.一瀬は,海外共同研究者Pavel Exnerとの共同研究で,量子ゼノン力学に関係する積公式の中間的結果を証明し,学術誌(Ann.H.Poincare)にそれを書いた。 4.藤原大輔は熊ノ郷直人と共に,時間分割近似法によるファインマン経路積分の滑らかな汎関数微分について研究し,顕著な結果を得てフランスの学術誌(Math.Bull.Sci.)に成果を出版した。 5.谷島賢二は,3次元シュレーディンガー作用素に対してポテンシャル散乱解の連続スペクトル空間成分の時間減衰の問題を考え,それが閾値レゾナンス・固有値を持たなければ,ある条件を満たすポテンシャルに対して,L^p-L^q評価を証明し,学術誌(Conmun.Math.Phys)にそれを書いた。
|