研究課題/領域番号 |
16340043
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大谷 光春 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30119656)
|
研究分担者 |
山田 義雄 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20111825)
田中 和永 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20188288)
石井 仁司 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (70102887)
西原 健二 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (60141876)
林 仲夫 大阪大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30173016)
|
キーワード | 関数方程式 / 関数解析 / 非線形現象 / 変分法 |
研究概要 |
研究目的にかかげた目標に関する次の幾つかの興味ある成果が得られた。 (i)準線形及び強非線形放物型方程式の解の高い微分可能性を保証する「L∞-エネルギー法」を、時間微分の非線形項を有する非線形放物型方程式に応用し、一意的時間局所解を構成した。 従来の方法では、一意性を導くのが困難であったが、高い微分可能性を保証することで、これが可能になった。 (ii)一般的な(全領域を含む)非有界領域における、爆発項を有する半線形熱方程式が時間大域解をもてば、この大域解は有界となり、そのL∞ノルムは、初期値のL∞ノルムにのみ依存する定数でおさえられることが示された。この事実は、有界領域では良く知られていたが、一般の非有界領域に対しては、長い間未解決であった。 (iii)回転磁場を内部構造として有する非圧縮粘性流体を記述するmicro-polar流体方程式に対する初期値境界値問題に対して、全ての解軌道を引き付ける「大域アトラクター」が、L2で構成された。さらに、あるクラスに属する初期値から出発する解軌道を、時間に関して指数的に引き寄せる、有限フラクタル次元を持つ「指数アトラクター」も構成された。大域アトラクターは、Temam等による標準的な手法によるが、指数アトラクターの構成は,本研究協力者のEfendiev等による新たな手法によっている。この手法の改良・応用が今後の課題である。 (iv)時間に関する依存性をもつ劣微分作用素に支配される抽象放物型方程式のCauchy問題、周期問題に対して、劣微分作用素の近似列がMoscoの意味で方程式を支配する劣微分作用素に収束するとき、対応する近似解は、もとの方程式の解に強収束することが示された。周期問題に対しては、この問題は長く未解決問題として残されていた重要なものであり、これが肯定的に解決されたことは大変意義深い。
|