研究分担者 |
小沢 登高 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (60323466)
泉 正己 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (80232362)
岸本 晶孝 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (00128597)
日合 文雄 東北大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (30092571)
幸崎 秀樹 九州大学, 大学院数理学研究院, 教授 (20186612)
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研究概要 |
河東は、場の量子論を作用素環論を用いて数学的に研究する分野である,代数的場の量子論を研究している.そこでは,カイラルな共形場理論は,円周上の,作用素環の局所共形ネットをして研究される.今年度は,S.Carpi, R.Longoと共に,そのような超対称性を持つ,超局所共形ネットの構造について研究した.まず,作用素環を用いた枠組みでの一般論を整備し,表現論の構造を明らかにした.すいで,N=1超対称共形代数に対し,central chargeが3/2未満のケースについては離散的な表現の列を持つことがしられているが,これらのケースについて,作用素環の超対称長局所共形ネットを,コセット・ネットとして作用素環論の手法で実現した.その延長を調べることにより,離散的なcentral chargeの範囲について,超対称長局所共形ネットの分類を行った. 小沢は相対双曲性を満たす離散群について,境界従順性の研究を行った.これは,Adams, Kaimanovichによる研究成果の一般化を与えている. 泉は量子群SUq(n)の双対についてPoisson境界の計算を行った.これは無限テンソル積型の量子群作用についての固定点環の相対可換子環の計算と行ってもよい.それにはPoisson積分とBerezin変換の関係を用いる. 日合と植田は非可換確率論の設定で自由輸送コスト不等式の研究を行った.これは自由確率論における重要な不等式を与えている. 幸崎は二つの非有界自己共役作用素で定義域の共通部分がゼロであるような場合について研究した.
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