研究課題/領域番号 |
16340046
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
大域解析学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
八木 厚志 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70116119)
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研究分担者 |
笠井 秀明 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00177354)
松村 昭孝 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60115938)
小田中 紳二 大阪大学, サイバーメディアセンター, 教授 (20324858)
辻川 亨 宮崎大学, 工学部, 教授 (10258288)
田畑 稔 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70207215)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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キーワード | 森林動態モデル / 非線形偏微分方程式 / 無限次元力学系 / 自己組織化 / 数値シミュレーション / 森林境界 |
研究概要 |
現実の森林を、森林樹木と堆積土壌とが相互作用するような地質・生態システムとみなし、森林の動態を数理モデルにより調べる研究に取り組みました。モデル化については本研究の準備段階から既に試みていましたが、平成16年以降もその試みを続け、特に平成17年には一つの典型モデルの提案に到達しました(拠点方式による学術交流事業平成17年度成果報告集、平成18年、大阪大学、285-288)。本モデルの数学解析については、現時点では、堆積土壌が一定の場合についてのみ詳細な解析ができました。すなわち、モデルから無限次元力学系が構成される、この力学系はリヤプノブ関数を有する、すべての軌道は時間の経過とともに平衡点に漸近する、平衡点の集合の構造は森林モデルに含まれているいくつかの生態パラメータに依存して劇的に変化する。さらには、このモデルから森林が生来的に有する固有境界を再現できることが見出されました。これは、森林の境界位置から逆に、その森林の生態パラメータが推定され、さらにはその森林の健康度(破壊に対する復元力)が計算でき得ることを示唆しています。一方、堆積土壌も変化する場合については、現在のところ、地質・生態モデについてのシミュレーションによる結果が得られています。すなわち、モデルから森林境界が再現される、しかしこの場合には森林境界は安定せず概周期的で複雑な挙動をすることが観察されています。これの数学的な解析は今後の課題です。個々の森林樹木に着目して森林の動態を調べるIndividual Basedモデルの構築も試みましたが、あまりにもモデルが大規模になり纏まった研究成果は得られませんでした。本研究で得られた、上述のマクロモデルについての成果が、今後の研究展開の指針となるものと期待されます。
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