研究課題/領域番号 |
16340050
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松井 卓 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (50199733)
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研究分担者 |
綿谷 安男 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (00175077)
植田 好道 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (00314724)
中屋敷 厚 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (10237456)
田崎 秀一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10260150)
廣川 真男 岡山大学, 理学部, 教授 (70282788)
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キーワード | 関数解析 / 量子系 / 無限自由度 |
研究概要 |
この期間は、主として、対称性の破れがある場合の非平衡定常状態の研究を行った。J.Lauwer-A.Verbeureは、超伝導のモデルである平均場模型のジョセフソン電流に関してRuelle流の非平衡定常状態におけるエントロピー生成の扱いと同じ方法で研究した。方法として興味深いが平均場模型では時間発展を定義できないため、非平衡定常状態は人工的にしか導入できない。そこで我々は、格子上動く粒子のボーズ・アインシュタイン凝縮した状態を初期状態として時間発展の後に得られる非平衡定常状態を考察することを目指した。最初にAraki-Woods, M.Kac, Lewis-Pule等の先行研究の状況を調べた後、3次元空間内で2個のボーズ・アインシュタイン凝縮をおこした熱浴と有限自由度系を接触させて得られる非平衡定常状態では、2つの熱浴の温度、粒子密度が同じでも大局的な位相が異なれば粒子とエネルギーの流れがゼロでないこと示せることが分かった。この研究の延長として一般のグラフ上でのジョセフソン流の研究を始めた。この結果、自由粒子に外場がかかる簡単な場合でも散乱理論としてはL_1-位相での収束が必要となることが判明した。いくつかの場合について、波動作用素がL_1収束するための十分条件を得た。今後の課題として、相互作用している格子系または一般のグラフ上の超伝導回路系の解析がある。モデルとしてはBose-Hubbard模型を想定している。最初に一般のグラフ上で自由粒子がボーズ・アインシュタイン凝縮を起こすための条件をグラフ上のRandom walkの性質に帰着させることを研究した。また、星状グラフで超安定2体相互作用する場合のボーズ・アインシュタイン凝縮の可能性も研究している。 一方、無限次元ループ群のユニタリー表現について、基点を固定しない基点を固定した場合はKac Moody代数のHighest weight表現の制限からくる表現やGelfand-Versikのエネルギー表現においても非I型の表現が自然に現れること示した。
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