研究課題
基盤研究(B)
当該研究期間中に、宇宙初期の超新星爆発時に形成されたダストのその後の進化とダストが宇宙背景輻射および天体形成に及ぼす効果の問題と関連して主に以下の研究を行った。1.超新星爆発時でのダスト形成計算の結果をもとに、高赤方偏移銀河で観測されたダストによる減光曲線を再現するとともに高赤方偏移銀河中のダストから放出される赤外線放射量を算出した。2.衝撃波に掃かれた高温ガス中でのダストの破壊を取り扱う為に必要なスッパタリングイールドのデータを集約し、得られた近似式を用いて超新星爆発によって誘発された星間衝撃波によるダストの破壊効率と破壊のタイムスケールを明らかにした。3.Spitzer天文衛星によるCasA超新星残骸の観測結果の解釈を行い残骸中に存在するダスト種とダスト量を決定した。4.宇宙背景輻射の歪みを制約条件として、与えられた初期質量関数の下で銀河間空間に存在するダスト量と宇宙初期の星形成率を推定した。5.超新星残骸中に進入するリバース衝撃波による破壊過程によって生き残ったダストおよび星間空間に放出されるダストの種類、サイズ分布、質量を求めた。6.ACDMモデルの枠組みの中で、銀河のハロー中のglobular clustersの周りのダークマターハローの潮汐破壊が綾小銀河の形成と進化に及ぼす効果を明らかにした。ACDMモデルの下で銀河形成シミュレーションを行い、高赤方偏移で観測された銀河の過剰がシミュレションで得られたmassive dark haloを持つ原始銀河領域で形成される銀河と対応することを明らかにいした。7.銀河中心核に存在する巨大ブラックホールバイナリーが銀河中心のガスディスクに及ぼす効果の研究し、ブラックホールバイナリーの存在により星形成が促進されることを明らかにした。
すべて 2006 2005
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