研究課題
本研究では、高角度分解能大型望遠鏡を目指した精密望遠鏡基板の開発を行う。この研究の中で本年度は以下の項目を研究計画としてあげた。(1)ハウジングの製作(2)可視光による結像性能の評価(3)基板のコーティングと金蒸着望遠鏡ハウジングとアライメントバーを試作した。まだ、課題はあるものの真円度10μm程度で基板を保持する事ができた。そして、真円度数μmで保持するために必要なハウジングの改良点もいくつか見つける事ができた。一方では、前年度構築した評価システムを改良し、望遠鏡基板の結像性能を評価するシステムを構築した。試作した基板を評価した結果、各基板の性能はHPDで1分角から2分角程度であることがわかった。マグネシウム薄板基板と性能評価システムについては、SPIEの国際学会で発表し、集録としてまとめられている(論文1)。プレス加工後の基板は表面が粗くX線鏡面とは言い難い。基板平面を平滑化するためにコーティング法とレプリカ法がある。計画では、コーティング法を試す予定であったが、研究協力者の協力により、より性能の良いレプリカ法を試す機会を得ている。このレプリカ法は、精密に加工したガラス母型の形状を写し取る方法で、平面の平滑化と形状を一度に得る事が出来る優れた方法である。この方法を試す事ができたのは、基板の形状精度がレプリカ法を試すところまで達成しているからである。レプリカ法では、高精度のガラスマンドレルが必要になるが、この製作を今年度に行った。来年度早々にレプリカ実験を実施する予定である。この結果も含め、研究で得た成果を5月末の国際学会で発表する予定である。
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Optics for EUV, X-Ray, and Gamma-Ray Astronomy II., Proc.of the SPIE 5900
ページ: 418-424