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2005 年度 実績報告書

キセノンを用いた2重ベータ崩壊探索実験

研究課題

研究課題/領域番号 16340066
研究機関東京大学

研究代表者

森山 茂栄  東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (50313044)

研究分担者 小汐 由介  東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (80292960)
福田 善之  宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (40272520)
キーワード2重ベータ崩壊 / ニュートリノ / 液体キセノン / シンチレーター
研究概要

本年度は、大きくわけて二つの研究を進めてきた。真空紫外線である液体キセノンのシンチレーション光を可視光に変換するための波長変換剤を開発したことと、常温で高圧のキセノンガスの発光を観測するためのチェンバーやハンドリング系を構築したことである。
前者に関しては、ポリスチレンのバインダーに、TPB(テトラフェニルブタジエン)を混ぜることにより実現した。このTPBの、PSに対する重量比として、0.5%,1%,2%,4%などのサンプルを製作した。それに対して前年度購入した真空容器や真空紫外線の発生装置であるエキシマランプを用いて光を入射させ、そのサンプルによって変換された光を記録する光電子増倍管からの信号を読み取った。それによれば、4%のTPBを混合したサンプルが最も変換効率が高く、おおよそ50%ほどの変換効率が得られることが分かってきた。この値に対する系統誤差を現在見積もっており、近日中に誤差付の値をまとめる予定である。これよりも濃度を上げると変換効率が上がると期待されているが、PSの中で結晶化するなどの問題がある。ただし現時点ではこれで十分と考えられるので、波長変換剤の開発は一応本年度で完了することとした。
後者については、常温で高圧のキセノンガスをハンドリングしたり、高圧のキセノンガスを入れるチェンバーを製作した。部品などはすべて購入済で、系をくみ上げていよいよデータを収集するところまで来ている。今後高圧のキセノンガスを導入して実際に発光を観測する予定である。この発光は、よく知られている、低温(マイナス100度付近)の発光と直接比較できるようにセットアップされており、重要な情報が得られると期待されている。
来年度はこれらの実績に基づき、常温で高圧のキセノンガスからの発光を波長変換する方法や、波長変換剤そのものがキセノンの発光に影響しないか等の研究を進める。さらには楕円体の遮蔽体のモデルも製作し、目標とする二重ベータ崩壊実験に進んで行きたいと考えている。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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