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2007 年度 実績報告書

超弦理論に基づく量子重力理論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 16340067
研究機関東京大学

研究代表者

米谷 民明  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10091521)

研究分担者 風間 洋一  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60144317)
加藤 光裕  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80185876)
橋本 幸士  独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 研究員 (80345074)
キーワード超弦理論 / 量子重力 / Dブレーン / AdS / CFT対応 / ゲージ重力対応 / 超対称性 / QCD / Yang-Mills量子力学
研究概要

1.米谷は,DOブレーンの力学を量子の理論として定式化する試みを開始した。この試みは,Dブレーンの力学を特徴づける最も重要な性質である,開-閉弦双対性の非摂動的な理解につながると期待できる考え方として,米谷が提唱した理論的可能性である。具体的には,DOブレーンの配位空間における非相対論的な有効理論として知られている超対称Yang-Mills量子力学を,第2量子化された場の理論に書き直すための新たな枠組みを探求した。それにより,通常の粒子の量子統計性が連続ゲージ群に拡張されていることを取り入れた場の理論の基本的な性質を明らかにして,Dブレーンの場理論に向けての端緒を開き,さらに大N極限におけるM理論の場の理論に向けた考察を進めた。2.風間は,AdS/CFT対応の本質の解明を目標として,これまで理解が遅れている弦理論側について研究し,以下の成果を得た。Ramond-Ramondフラックスを含む曲がった平面波背景場中の超弦理論は,AdS/CFTの一つの極限として重要な意味を持つが,これまで,弦理論の要である共形不変性を犠牲にしたlight-coneゲージでしか量子化ができず,相互作用の解明等に困難が生じていた。共形不変性を保つゲージでは理論が非線性になるが,ヴィラソロ代数をスペクトル生成代数として捉え,ダイナミックスを表現論に置き換えることができることに着目して,位相空間変数での量子化を行い,量子化されたヴィラソロ演算子を構成した。これは共形不変ゲージでの理論解明の基礎となる重要性を持つものである。4.加藤は前年度に提唱した新たな共変ゲージについて,散乱振幅の一般構造とゲージ不変性について解析し,ゴースト数の違うセクターにおけるヌル場の非結合性の一般構造を明らかにした。また,格子上の超対称性を実現する定式化を目指して,いくつかの試みを行い,格子上のライプニッツ則に関する一般的なNo-Go定理を確立した。4.橋本は,弦理論で発見された重要な対応原理であるゲージ,重力対応を用いて,量子色力学における基礎課題であるクォークの質量とハドロンの質量の関係の謎を明らかにした。また,量子色力学の基本励起である「QCD弦」を古典に理解する方法を与え,対応する古典解から安定性を示した。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Superstring in the plane-wave background with RR flux as a conformalfield theory2008

    • 著者名/発表者名
      Y.Kazama and N.Yokoi
    • 雑誌名

      JHEP 0803

      ページ: 057

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Field Theory of Yang-Mills Quantum Mechanics for D-Particles2007

    • 著者名/発表者名
      T.Yoneya
    • 雑誌名

      Prog.Theor.phys 118

      ページ: 135-167

    • 査読あり
  • [雑誌論文] String Theory2007

    • 著者名/発表者名
      T.Yoneya
    • 雑誌名

      Journ.Phys.Soc.Japan 76

      ページ: 11020-1-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Space-Time Uncertainty and Approaches to D-Brane Field Theory2007

    • 著者名/発表者名
      T.Yoneya
    • 雑誌名

      Prog.Theor.Phys.Suppl 171

      ページ: 87-98

    • 査読あり
  • [雑誌論文] QCD string as vortex string in Seiberg-Dial Theory2007

    • 著者名/発表者名
      M.Eto, K.Hashimoto, S.Terashi
    • 雑誌名

      JHEP 0709

      ページ: 036

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Holographic QCD and pion mass2007

    • 著者名/発表者名
      K.Hashimoto, T.Hirayama, A.Miwa
    • 雑誌名

      JHEP 0706

      ページ: 020

    • 査読あり
  • [学会発表] An attempt towards field theory of DO branes2007

    • 著者名/発表者名
      T.Yoneya
    • 学会等名
      International Conference on Progress of String Theory and Quantum Field Theory
    • 発表場所
      大阪市立大学
    • 年月日
      2007-12-10
  • [学会発表] 弦の場の理論における共変ゲージと振幅2007

    • 著者名/発表者名
      浅野 雅子, 加藤 光裕
    • 学会等名
      日本物理学会第82回年次大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-21
  • [学会発表] 格子超対称性の行列表示2007

    • 著者名/発表者名
      加藤 光裕, 坂本 真人, 宗 博人.
    • 学会等名
      日本物理学会第82回年次大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-21

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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