研究課題
基盤研究(B)
本研究は、我々が開発してきた高精度TDC (Time to Digital Converter)集積回路技術を基に、高エネルギー実験及び宇宙環境実験で使用可能な超高精度時間計測LSIを開発する事を目的としている。このLSIは温度、衝撃、放射線等の影響に対し充分な信頼性を持ち、数十ps/bitの分解能を達成する必要が有る。完成したTDC LSIは実際の観測機器との接続試験を行い、実証データを取得し、水星周回軌道実験BepiColombo探査機等への搭載を目指している。(我々の提出したBepiColomboでのプラズマ観測装置の案は、昨年認められた。)製造技術には最新のCMOS 0.18umプロセスを使用し、2段式PLL (Phase Locked Loop)という新回路方式を使用する事により、50ps以下にまで時間分解能を上げる予定である。本年度は、このプロセスによるチップ試作を2回行い、回路設計、レイアウト設計技術の取得と、TDCの基本性能の確認を行った。また2段式PLL回路方式を特許出願し、その後2004年10月にローマで開催されたIEEE Nuclear Science Symposiumにおいて口頭発表を行った。また、東京都立大学理学部RI施設のCo60ガンマー線照射施設を利用して、ガンマー線に対する放射線耐性の予備試験を行い、CMOS 0.18umプロセスのガンマー線に対する耐性について結果を得る事が出来た。この実験では法政大学工学部藤田実研究室の方々に協力をいただいた。
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2004 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference, Conference Record
ページ: N18-3