研究課題/領域番号 |
16340081
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
新井 康夫 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (90167990)
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研究分担者 |
斎藤 義文 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教授 (30260011)
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キーワード | 時間計測 / 放射線耐性 / 高エネルギー物理実験 / 水星探査 / 放射線検出器 / SOI / Silicon-On-Insulator / ピクセル検出器 |
研究概要 |
本研究は、我々が開発してきた高精度TDC(Time to Digital Converter)集積回路技術を基に、高エネルギー実験及び宇宙環境実験で使用可能な計測用LSIの開発研究を目的としている。このLSIは温度、衝撃、放射線等の影響に対し充分な信頼性を持つ必要が有る。完成したLSIは、将来の水星周回軌道実験BepiColombo探査機(2013年打ち上げ予定)等への搭載を目指している。 昨年度試作を行なった、TSMC社CMOS 0.18umプロセスを使用した2段式PLL(Phase Locked Loop)回路方式の要素回路試験チップは、I/Oバッファ部のミスにより充分な成果を得る事が出来なかったが、沖電気(株)のCMOS 0.15umSOI(Silicon-On-Insulator)プロセスによるTEG(Test Element Group)チップではピクセル検出器や放射線試験用トランジスタアレイ等の動作に成功し、東北大学サイクロトロンRIセンターでの陽子線照射により、10^15proton(~100Mrad)という高線量においてもバックゲート電圧の調整により動作することが確認され、宇宙での使用にも問題がないことがわかった。 SOIプロセスは今後のLSIの主流になると考えられることと、耐放射線性、高温動作、低消費電力等高エネルギー物理実験/宇宙実験に適した特性を持ち、今後有望な技術と考えられる。 また同時に準備を行なっていた、既開発の東芝0.3umプロセスのTDC(TMC304)は、本年夏打ち上げ予定の月探査衛星SELENEに搭載されており、無事に動作し興味深いデーターを送ってくることを期待されている。
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