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2006 年度 実績報告書

スピン・軌道多体効果の展開と変貌する伝導電子-f電子化合物混晶による研究

研究課題

研究課題/領域番号 16340095
研究機関東北大学

研究代表者

青木 晴善  東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (60302246)

研究分担者 落合 明  東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (90183772)
中村 慎太郎  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20292310)
木村 憲彰  東北大学, 大学院理学研究科, 助手 (30292311)
キーワード混晶 / f電子化合物 / 多体効果 / dHvA効果
研究概要

a.CeB_6、PrB_6およびそれらの混晶化合物:
これらの化合物、およびその混晶の実験結果については論文に取りまとめ、公表を行った。
b.Pr化合物:
PrPb_3およびLaが1%Prと置換された混晶についてdHvA効果の測定の測定をおこなった。0.5T近傍の低磁場までdHvA信号の観測に成功した。温度の低下とともに信号強度が増大し、また周波数が顕著に変化することが明らかとなった。これらの現象とこの系で起こる四重極秩序転移との関係を明らかにした。
c.CeRu_2(Si_<1-x>Ge_x)_2の混晶を作製し、x=0から1.0までのすべての濃度の試料でdHvA効果の検出に成功した。また、磁気相図を明らかにし、メタ磁性転移がGe濃度とともに、クロスオーバー、多段の1次転移、一段の1次転移と変化し、さらに高濃度で強磁性に変化することがわかった。メタ磁性転移磁場より高い磁場および強磁性状態ではdHvA効果の周波数および電子の有効質量はGe濃度とともに連続的に変化することが明らかとなった。これらの結果から、この系ではメタ磁性転移より高い磁場ではf電子が局在的なふるまいを示すことを明らかにした。また強磁性状態と磁気モーメントの大きさがほとんど同じであるにも関わらず、周波数はスピンの方向に依存せず、有効質量のみが強く依存する状態がメタ磁性転移磁場より高い磁場で存在することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Unusual evolution of conduction electron state in Ce_xLa_<1-x>B_6 from non-Fermi liquid to Fermi liquid2006

    • 著者名/発表者名
      S.Nakamura, et al.
    • 雑誌名

      Physical Review Letters 97

      ページ: 237024-1-4

  • [雑誌論文] Evolution of Fermi Surface Properties in Ce_xLa_<1-x>B_6 and Pr_xLa_<1-x>B_62006

    • 著者名/発表者名
      M.Endo, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Physical Society of Japan 75

      ページ: 114704-1-10

  • [雑誌論文] Magnetic-field and pressure dependence of low-temperature resistivity in UGe_22006

    • 著者名/発表者名
      T.Terashima, et al.
    • 雑誌名

      Physical Review B 73

      ページ: 140406(R)-1-4

  • [雑誌論文] De Haas -van Alphen effect of PrB_6 in commensurate and incommensurate phases2006

    • 著者名/発表者名
      M.Endo, et al.
    • 雑誌名

      Physica B 378-380

      ページ: 607-609

  • [雑誌論文] Metamagnetic transitions and electronic structures of CeRu_2(Si_<1-x>Ge_x)_22006

    • 著者名/発表者名
      M.Sugi, et al.
    • 雑誌名

      Physica B 378-380

      ページ: 810-811

  • [雑誌論文] Spin-split Fermi surfaces in Ce_xLa_<1-x>B_6 and Pr_xLa_<1-x>B_62006

    • 著者名/発表者名
      T.Isshiki, et al.
    • 雑誌名

      Physica B 378-380

      ページ: 604-606

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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