研究課題
基盤研究(B)
多重散乱媒質中を伝播した光にはさまざまな相関が存在する。本研究の目的は、多重散乱媒質を伝播する光を対象とし、[1]多重散乱媒質中での光の揺らぎの相関を解明し、その応用として[2]多重散乱媒質での永続的ホールバーニングについて実験を展開する、ことである。平成16年度は、具体的に以下の研究を行った。1)第二高調波発生法による揺らぎの相関実験多重散乱媒質の「内部」の揺らぎの相関を実験的に調べる方法として、新しく2光束相関法による第二高調波発生法による揺らぎの相関測定をおこなった。LiNbO_3からなる多重散乱媒質に、波長1.06μmの2本のコヒーレントなレーザー光を励起光として入射させ、媒質から発生する第二高調波の強度を観測した。第二高調波強度を入射角度の関数として観測し、波数ベクトル領域での相関関数が得られることを実験的に実証した。2)多重散乱媒質でのホールバーニング多重散乱媒質中の揺らぎの「内部」相関を利用し多重散乱媒質が散乱とあわせて光反応性を有している系でのホールバーニングの実験を展開した。このホールバーニングは、空間的なスペックルを光反応によって書き込むことによって形成されるものである。平成16年度は、特に、ホールの時間発展を実験的に捕らえることに成功した。平成17年度は、上記に実験結果の解析を進めるとともに、引き続き、[1]媒質の平均自由行程、[2]吸収、[3]幾何学的特性、[4]サンプルの境界条件、などを系統的に変化させホール形状への影響を調べる予定である。
すべて 2005 2004
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Journal of the Optical Society of America, B 3(印刷中)
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