研究課題/領域番号 |
16340118
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
占部 伸二 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (20304040)
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研究分担者 |
田中 歌子 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 講師 (20359087)
豊田 健二 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助手 (20314403)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | レーザー冷却 / イオントラップ / カルシウムイオン |
研究概要 |
単一イオンの振動基底状態までの冷却の実験では、平均振動量子数02までの冷却に成功した。またイオンのコヒーレント制御実験においては、電気四重極遷移におけるキャリア遷移のラビ振動観測により、振幅の緩和レートを01kHzと見積もることができた。また、キャリアラビ周波数として100kHz以上、サイドバンドラビ周波数として5kHz以上が得られた。ラビ周波数と緩和レートの比が観測可能なラビ振動の周期に対応しているため、レーザーの強度揺らぎを十分抑制し、平均振動量子数を十分下げることによって、この比をサイドバンド遷移に対して50以上にすることが可能である見通しを得ることができた。 リニアトラップによる複数個の冷却の実験では、量子情報処理への利用が可能なトラップの動作条件を実現することができた。電極の組み立て精度や表面の面精度を改良および3方向のマイクロ運動の楠正により、2個、3個のイオン列に対しても余剰マイクロ運動がほぼ除くことができた。2個のイオンの運動サイドバンドの観測により、Lamb-Dicke領域へのイオンの閉じ込めを確認した。また、2個のイオンの振動モードをすべて分離して観測した。2個のイオンのサイドバンド冷却実験では到達平均量子数として約07が得られた。今後、各種パラメーターの最適化、サイドバンド冷却用レーザーの周波数の長期の安定度の改善により、01以下の低い値までの冷却が可能であると考えられる。 自然存在率が小さく捕獲が困難であった微量奇数核同位体^<43>Ca^+の選別捕獲に成功した。光イオン化の第2段階に用いる光源が、微量奇数核同位体に対してもLEDで可能なことを示した。また、^<43>Ca^+イオンを選択的にイオン化したときに同時にイオン化してトラップされてしまう不純物同位体を追い出し、^<43>Ca^+イオンの純化に成功した。また純化によって得られた純粋な^<43>Ca^+イオンのレーザー冷却を行い、結晶状態まで冷却することができた。
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