研究課題
基盤研究(B)
1.ブロック共重合体のメソフェーズ間の構造相転移:ブロック共重合体メルトのジャイロイド構造にずり変形を加えた場合に生じるシリンダ構造への構造相転移の動力学を、拡散ダイナミクスに立脚する動的自己無撞着場理論を用いてシミュレートした。実空間でのモデル化と系のサイズを可変とするシミュレーション手法の導入により、これまでは再現できなかったジャイロイド構造からシリンダ構造への一次相転移にともなう核生成と成長過程を観測することに成功した。また、この転移の過程において、転移前後の構造の間の結晶構造の整合性(エピタキシー性)の成立および従来の散乱実験等で報告されてきたダイナミクスとは異なるミクロなダイナミクスを発見した。2.流体力学相互作用によるブロック共重合体のメソフェーズ形成の動力学:流体力学相互作用をexplicitに取り入れた動的自己無撞着場理論の開発を行い、流体相互作用の下で相分離の動力学が受ける影響を調べた。流体力学相互作用の存在により相分離が加速されることや、ドメイン構造のトポロジーの種類によっては流体力学効果がなければ平衡状態が生成され得ないことが示された。3.自己無撞着場理論による粘弾性特性のシミュレーション:自己無撞着場理論から計算される応力分布を流体方程式に取り入れることで、粘弾性特性をモデル化する手法を開発した。また、この理論において、鎖同士のからみ合いに起因する応力を計算する部分が、イギリスの研究グループの最新のレプテーション理論と等価であることを理論的に証明した。4.これらの成果の他に、ゲルのクラスタ形成、ブロック共重合体の相分離構造の制御、高濃度コロイド粒子系の空間秩序構造の形成などを理論とシミュレーションによって研究し、成果を上げた。
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