研究課題/領域番号 |
16340123
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
太田 隆夫 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (50127990)
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研究分担者 |
長谷川 博一 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60127123)
野々村 真規子 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20333320)
今井 正幸 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (60251485)
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キーワード | 高分子共重合体 / ミクロ相分離 / 転移キネテックス / ジャイロイド構造体 / 計算機シミュレーション / 密度汎関数法 / 準安定構造 / 構造間転移 |
研究概要 |
高分子共重合体のミクロ相分離をモード展開法で解析し、相分離構造間転移の様子を理論的に詳細に調べた。特に、ジャイロイド構造が関与する転移については、中間準安定構造としてFddd構造が現れることを世界で初めて確認した。また、ロッド・コイル共重合体のミクロ相分離ダイナミクスを記述するモデルを導入し、数値シミュレーションを行った。分子レベルの非対称性に由来する弾性効果がメゾ構造にどのような非対称性をもたらすかを解明した。さらに、電場をかけたときのドメインの構造変化とその安定性を調べた。 ポリスチレン-ポリイソプレンジブロック共重合体/ホモポリスチレン混合系におけるスポンジ構造からジャイロイド構造への転移、およびHPL構造からジャイロイド構造への転移を、転移が進行するグレインバウンダリーの3次元電子線トモグラフィー観察により研究した。その結果、HPLの穴あきラメラ相が交互にそれぞれ別のジャイロイドネットワークに連結している様子が観察され、トポロジカルな構造変化の機構解明の手がかりが得られた。 非イオン性界面活性剤の秩序構造転移について研究を展開し、球状ミセルの秩序構造としてHPL-BCC-A15の3つの相の存在を明らかにした。このうちA15構造はケルビン多面体として知られているものであり、表面積最小の原理に従って、最密充填格子(HCP)からBCCを経てA15構造へと転移することを実験的に初めて明らかにした。 関連する研究として、温度勾配下での高分子溶液の相分離では非常に重要であることが知られている対流効果の研究を行った。これをなるべく簡単に扱うため、その第一歩としてマランゴニ対流の2次元モデルを構築しその解析を行った。このモデルは界面の変形を伴った対流にも容易に拡張でき、計算時間が大幅に短縮できる利点をもつ。結果は現在投稿中である。
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