研究概要 |
平成16年度は、重力・電磁気連続観測システムを伊豆大島火山の山頂火口近傍に構築し,無線テレメータによって伊豆大島火山観測所まで伝送し,LANを経由して地震研究所で収録すること,および,得られた観測データの予備的解析を行うことを計画し,以下のことを行った. (1)重力連続観測システムの構築とデータ解析 ・山頂火口近傍に設置する自動重力計の整備調整を行った. ・重力連続観測システムを設置する山頂火口近傍の観測点から地震研究所までのLAN観測網を構築した.これにより,重力データの自動収集およびリモートメンテナンスが可能となった. ・既存の観測データにもとづいて降水量と重力季節変化の対応関係を調査し,その特徴が判明した. ・山頂観測点における重力連続観測の基準点とするため,今後,山頂カルデラ周辺にある既設中継観測点において絶対重力連続観測を行う予定である.そのため中継観測点の耐雷対策を強化した. (2)電磁気連続観測システムの構築とデータ解析 ・山頂火口周辺の5か所に設置したACTIVE(制御電流を用いた群列時間領域電磁探査法)受信機および1カ所に設置した地中温度計と地震研究所をつなぐLAN観測網を構築し,自動連続観測を開始した. ・記録された時系列電磁気データめSNを改善するため,処理方法の高度化を行った. ・火口下の電気伝導度変化をモデル化するための数値計算手法の開発を行った.
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