研究課題/領域番号 |
16340126
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山野 誠 東京大学, 地震研究所, 助教授 (60191368)
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研究分担者 |
日比谷 紀之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80192714)
芦 寿一郎 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (40251409)
木下 正高 海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, グループリーダー (50225009)
松林 修 産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 研究グループ長 (70358034)
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キーワード | 地殻熱流量 / 長期温度計測 / 沈み込み帯 / 南海トラフ / 地震発生帯 / メタン・ハイドレート / 地下温度構造 / 黒潮 |
研究概要 |
1.平成16年度に購入した自己浮上式熱流量計について、海中での動作試験を実施し、その結果に基づいて必要な改良を行った。 2.紀伊半島東方沖(熊野沖)及び四国東方海域において、16年度に設置した自己浮上式熱流量計1台、自己浮上式水温計2台を回収した。回収時には、深海用プローブによる堆積物中の温度プロファイル測定も実施した。一方、新たに熱流量計4台、水温計2台を東海沖〜紀伊半島沖に設置し、長期計測を開始した。 3.自己浮上式熱流量計によって得られた堆積物中の温度分布の長期計測データを解析し、新たに2地点において地殻熱流量の値を求めた。また、海底水温の長期計測データと深海用プローブで測定した温度プロファイルを合わせて解析することによっても、3地点において熱流量を得ることができた。これらの2つの方法について、得られる熱流量の精度が長期計測を行う期間にどう依存するかを、3年間の海底水温実測データに基づいて評価した。 4.熊野沖〜紀伊半島沖の深海域(南海トラフ底、及び付加体斜面)において、深海用プローブを用いた熱流量測定を実施した。また、ピストンコアラーを用いて堆積物コア試料を採取し、堆積物の熱伝導率を測定した。 5.熊野沖、四国東部沖(室戸沖)の南海トラフ海域について、定常的なプレート沈み込みを仮定し、温度構造モデル計算を行った。浅海域・深海域で測定された熱流量データ、及びメタン・ハイドレートBSRの深度から求められた熱流量と、モデルによる計算値を合わせることにより、プレート境界面における摩擦発熱・せん断応力の値に制約を加え、巨大地震発生帯の温度構造を推定することができた。 6.熊野沖海域で得られた海底水温の長期計測データを、海流のデータや海洋物理モデルと比較することにより、水温の周期的変動と黒潮の蛇行の関係について考察を行った。
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