研究課題
基盤研究(B)
1.紀伊水道沖から東海沖に至る海域において、自己浮上式の機器による堆積物中の温度分布、海底水温の連続観測を実施し、計17地点において、5〜17か月の長期計測データを得た。2.堆積物中の温度分布の長期データを解析し、海底水温変動の影響を除去することにより、紀伊半島東方沖(熊野沖)原び東海沖の浅海域6地点で地殻熱流量の値を得た。また、浅海域における新たな熱流量測定法として、海底水温の長期計測データと深海用プローブで測定した海度プロファイルと合わせて解析する手法を開発した。この方法を実測データに適用し、紀伊水道沖〜熊野沖の3地点で熱流量を求めることに成功した。3.熊野沖海域において、海底水温の長期計測データを用いて、通常の方法による熱流量測定が可能な水深の範囲、自己浮上式の機器によって熱流量を求めるために必要な測定期間、等の評価を行った。「また、海底水温データを、海流のデータや海洋物理モデルと比較することにより、水温の周期的変動と黒潮の蛇行の関係について考察した。4.熊野沖〜潮岬沖の深海域において、通常の方法による熱流量測定を実施した。その結果を、浅海域での測定結果、及び既存のデータと合わせることにより、熊野沖の南海トラフ海域において、沈み込むプレートから付加体にかけての熱流量分布を明らかにした。5.熊野沖、及び四国東部沖(室戸沖)の南海トラフ沈み込み帯について、付加体中の物質移動、海洋プレートの熱的進化と堆積物の沈積の影響を含むモデルを用いて、温度構造の計算を行った。熱流量の実測値、メタンハイドレートBSRの深度から求められた熱流量と、モデルによる計算値を比較するととにより、プレート境界面における摩擦発熱・せん断応力の値に制約を加え、巨大地震発生帯の温度構造を推定した。特にIODPによる掘削予定地点について、詳細な温度分布の推定と誤差の見積りを行った。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 2件)
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