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2005 年度 実績報告書

跡津川断層における地震性破壊反応流体のニアフィールド観測〜破壊ラジカル反応の実証

研究課題

研究課題/領域番号 16340128
研究機関東京大学

研究代表者

田中 秀実  東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (40236625)

キーワード跡津川断層 / 断層流体 / 質量分析 / 地殻深部ガス / 連続観測 / 断層破砕帯
研究概要

昨年度掘削されたボアホールについて,今年度は次のことを行った.すなわち(1)流体観測システムの設置および安定化,(2)ガス同位体観測精度向上のための改造,および(3)連続観測である.
(1)流体観測システムの設置および安定化
昨年度,掘削直後に仮設した流体観測システムのプロトタイプは,機器およびガスラインの不安定さのため,連続観測に対応できないことが明らかだったので,今年度は,プロトタイプで見いだされた不備な点を含めて,全体を見直し,システム設計,製作および観測施設への導入を行った.その結果,積雪による電線の切断に伴う停電など,過酷な環境による障害はまだ克服されていないものの,およそ2回/月の巡視で連続データを得られるまでに改善された.
(2)ガス同位体観測精度向上のためのガスライン改良
採取された流体について希ガス同位体組成を求めたところ,地殻深部からもたらされたガス(3He)を含んでいた,このためHe同位体を連続的にモニターする感度の達成を目指してガスラインの改良を続けた.今年度はHe totalの連続観測の可能な感度に達する事ができたが,同位体連続観測には至らず,来年度に課題を残した.
(3)流体連続観測
今年度10月に(1)で製作した観測システムの導入が完了したので,連続観測を開始した.現在に至るまでにM2を超える地震は観測エリアで発生していないものの,直下で発生した極めて小さな微小地震(<M1)の直前にヘリウムおよびメタンの増加,酸素および窒素の減少が確認された.この現象は,地震直前に流体経路の変化が起こっていることを示す可能性もあるが,システムをさらに安定化させ,データの集積を待って判断するべきであろう.

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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