研究課題/領域番号 |
16340133
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
志知 龍一 中部大学, 工学部, 教授 (50022596)
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研究分担者 |
山本 明彦 愛媛大学, 理学部, 教授 (80191386)
工藤 健 中部大学, 工学部, 助教授 (80410645)
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キーワード | 西南日本 / 重力データベース / 日本列島重力データベース / 完全無空白・稠密化 / 統一処理・規格化・高精密化 / 日本列島重力アトラス |
研究概要 |
[研究の目的]これまで、重力データは公表が進まなかったが、近年、旧地質調査所(地調)が構築した重力データベースの一部(14万点)、と志知・山本を代表者とする西南日本重力研究グループが構築した重力データベース(9万点)の公表がなされ、大きな転機を迎えた。両者を併せると、日本列島の広い範囲が覆われた。特に西南日本側ではデータの空白や希薄な部分は少なくなった。これに対し、関東・東北日本〜北日本の地域では、事実上の空白域がまだ相当広く残っているという問題がある。本研究は、この現状の打開を目指したもので、その課題は以下の2点である。第1課題:まだ残る空白域の解消と重要地域でのデータの稠密化。これには、未公表データの独自収集に努める一方、収録不可能な地域では新規測定で独自データの蓄積を行い、日本列島を覆いつくす「日本列島重力データベース」構築を目指す。第2課題:日本列島重力データベースおよび成果の公表。各種図版など成果の印刷公表と一般ユーザーの利用に供するため、統一処理・規格化・高精度化した生データの公表をなしとげる。 [本年度の実績]初年度の昨年度に、第1課題として関東にあった未収録既存データの収録と関東・首都圏や九州の離島などで5200余点の大幅な新規データの取得し、空白域の克服が進んた。第2課題として東大出版会から「日本列島重力アトラス 西南日本および中央日本」を刊行した。この成果を受けて本年度は、まず空白域・重要地域での更なる新規データ取得に努めた。(1)未だ空白だった埼玉県一帯での測定を完了し関東・首都圏全域を完全無空白・稠密化した。(2)新潟県中越地震震源域を含む越後平野および周辺の広い空白域を完全無空白・稠密化した。(3)北九州で福岡県西方沖地震が発生したが、この一帯はデータが希薄であったのでこれを稠密化し、これで九州地方全域を完全無空白・稠密化した。本年度取得新規データ総数は約7000点で、これにより、関東・信越以西の西南日本全域で、重力データの空白地帯を完全に解消する成果を上げた。次に、来年度の成果の公表に向けて、関東・九州・信越など、特に関心の持たれる地域での見栄えのする図版の作製を進めている。
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