研究課題
1.重力グループ1.1 観測、機器開発神岡、松代での超伝導重力計(SG)観測は、液体ヘリウムの補充を行い順調に続けられている。本科研費で展開している気圧計観測網でデータが得られている。2005年7月に,京都大学の絶対重力計(AG)による神岡SGの検定を実施した。また、新谷、坪川はそれぞれ独立にAGの開発を行っている。1.2 研究2004年12月26日のスマトラ沖で発生したMw=9.3の地震は、神岡、松代の両観測点で3カ月以上にわたって観測された。この記録も含む、世界のGGP (Global Geodynamics Project)観測点から選んだ低ノイズSG記録を使い低周波自由振動の解析を行い、OS2等の周期、Q-値を高い精度で決定することに成功した。また、OS0の緯度依存性を世界で始めて観測から発見し、3次元地震波モデルとの比較を行った(GRLに投稿、査読中)。SGデータの解析結果に関する複数の論文を国際誌に出版した。2.レーザ歪計グループ2.1 機器の改良と開発長期トレンドの観測精度を向上させるために、100m基線の絶対長を測る干渉計をレーザー伸縮計の真空装置内に組み込んだ。その結果、レーザー伸縮計の欠測時に問題となる半波長の整数倍の不定性を絶対長干渉計で補正することが可能となり、長期ひずみ変動を正確に観測する準備が整った。また、干渉計の大幅な性能向上を目的に、鏡のコーテングに関する技術開発が行われた。2.2 研究レーザ歪計記録を使った地球潮汐ひずみ解析を行った。地形補正や海洋潮汐を考慮した理論波形と5%以内の精度で一致することが分かった。これから、設置場所が低雑音環境であることも条件に入るが、所期の装置性能が達成されていることがわかった。また、2004年紀伊半島沖地震について、地震発生時の歪ステップについて解析を行った。地震観測からわかっている断層メカニズムを仮定した理論計算結果と神岡で観測されたステップが良い一致を示しており、10^<-9>レベルでの歪ステップ観測の信頼性が確認できた。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
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